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'''仮処分'''(かりしょぶん)は、[[債権者]]からの申立てにより、[[民事保全法]]に基づいて[[裁判所]]が決定する暫定的処置である。金銭債権以外の権利を保全する点で[[仮差押]]と異なる。目的・態様に応じて「[[係争物]]に関する仮処分」と「仮の地位を定める仮処分」の二種類がある。<br>
いずれも、手続の流れとしては、仮処分を認めるかどうか裁判所が判断する仮処分命令の段階と、仮処分命令に従ってその執行をする段階に分かれる。
*民事保全法は、以下で条数のみ記載する。
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: 自分の所有する[[不動産]]の[[登記]]が他人名義になっているため、[[抹消登記]]を求める[[訴訟]]を提起する場合に、相手方(債務者)が訴訟係属中に第三者に登記を移転してしまわないようにするなど、[[登記請求権]]を保全するために不動産の処分を禁止するための仮処分。この仮処分命令がされると、登記簿に処分禁止の[[不動産登記|登記]]がされる([[s:民事保全法#53|53条]]1項)。もし処分禁止の登記の後に債務者から第三者に登記が移転されても、債権者が後日、本案訴訟で勝訴した場合は、第三者への移転登記を抹消することができる([[s:民事保全法#58|58条]]2項、[[b:不動産登記法第111条|不動産登記法111条]])。
; 占有移転禁止の仮処分
: 相手方(債務者)に対し不動産の明渡しを求める[[訴訟]]を提起する場合に、債務者が訴訟係属中に第三者に住まわせるなど[[占有]]を移してしまい、明渡しの[[強制執行]]ができなくなるおそれがあるとき、占有の移転を禁止するための仮処分。この仮処分命令に基づいて、[[執行官]]が、その不動産を保管中であることを示す公示書を掲示する(民事保全規則44条1項)。もし仮処分に違反して占有が第三者に移転されても、債権者が後日、債務者に対する本案訴訟で勝訴した場合は、第三者に対して改めて訴訟を提起しなくても、原則として第三者に対して明渡しの[[強制執行]]をすることができる([[s:民事保全法#62|62条]])。
 
== 仮の地位を定める仮処分 ==