「三人吉三廓初買」の版間の差分

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この百両と名刀「庚申丸」の所在が転々とするうちに、三人の吉三をめぐってそれまで隠されていた複雑な人間関係が徐々に明らかになっていく。
 
初演時は、上記の三人吉三のストーリーに木屋文里<small>(きやぶんり)</small>と吉原遊郭の遊女・一恵<small>(ひとえ)</small>をめぐる物語をからめて<ref>文里は黙阿弥の友人[[細木香以]]がモデルとた(われる。一恵は梅暮里谷峨の[[洒落本]]『傾城買二筋道』をもとしたも登場する遊女。</ref>と)が、悲恋を描くくだりをからめていた。しかし再演以降、文里一恵の件は省略されるのが普通であるとなった
 
===序幕===
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== 解説 ==
『三人吉三廓初買』は二代目河竹新七(黙阿弥)と当時名優といわれた[[市川小團次 (4代目)|四代目市川小團次]]の提携による一連の作品群のひとつである。小團次は初演時に和尚吉三と文里<ref>黙阿弥の友人[[細木香以]]がモデルといわれる。</ref>を勤めている。ただし文里と吉原の[[遊女]]一重<ref>梅暮里谷峨の[[洒落本]]『傾城買二筋道』に登場する遊女。</ref>との悲恋を描くくだりは、初演後はほとんど省略されている。今日本作が『三人吉三巴白浪』の外題で知られているのはこのためである。
 
その初演も、隣の[[中村座]]に出ていた人気絶頂の[[中村芝翫 (4代目)|四代目中村福助]]<!--(当時は[[中村福助]]<ref>同年(1860年、[[万延]]元年)7月に四代目中村芝翫を襲名した。</ref>)-->の人気に食われ、興行としてはあまり当たらなかったというが、新七にとっては会心の作であり、自らも自身の代表作のひとつに数えていたといわれる。