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'''趙盾'''（ちょうとん 、生没年不詳）は[[中国]][[春秋時代]]の[[晋 (春秋)|晋]]の[[政治家]]。[[姓]]は'''贏'''、[[氏 (中国)|氏]]は'''趙'''、[[諱]]は'''盾'''、[[謚]]は'''宣'''。[[趙衰]]の長男。[[趙 (戦国)|趙]]氏の祖。晋に於いてで長きに渡ってく政権を執り、趙氏の存在を一躍高大きくした。'''趙宣子'''、'''趙宣孟'''などとも呼ばれる（孟は長子をあらわす）。
==生涯==
===趙盾の登場===
父の趙衰は[[驪姫|驪姫の乱]]の後に、[[文公 (晋)|重耳]]に従って諸国を放浪していた。やがて、趙衰は亡命先の[[狄]]に於いて趙衰は狄ので族長の娘である、叔隗を娶り、趙盾を儲けた。その後、重耳は晋へに帰還して文公となり、趙衰は文公に付き従ったことによりも高位に上がった。更さらに趙衰は文公の娘である、趙姫（<ref>姫は「ひめ」では無なく、晋室の[[姓]]。趙氏に嫁いだので趙姫と言う）。</ref>を娶り、新たに趙同、趙括、趙嬰斉の三人の子を儲けた。本来ならば、主家の娘の趙姫が正妻であり、趙盾は嫡子になれないはずだった。しかし趙姫が、叔隗と趙盾を呼んで正妻と嫡子にするよう、趙衰と文公に進言し、これが受け入れられた。
主家の娘である趙姫が当然正妻なので、趙盾は本来ならば嫡子にはなれない立場であった。しかし趙姫は趙衰と文公に対して叔隗と趙盾を晋に呼び戻し、叔隗を正妻に趙盾を嫡子にするようにお願いし、これが受け入れられた。
[[紀元前621年]]、襄公により[[狐射姑]]が中軍の将に、趙盾は中軍の佐となった。しかし襄公の大傅（公子に付いて教育する役）であった陽処父の推薦により趙盾が中軍の将となった。
注釈:晋の軍制では中軍・上軍・下軍の三軍があり、それぞれの将と佐（副将）には[[卿]]（大臣クラスの貴族）が就く。中軍が最も上であり、中軍の将になることは正卿（[[宰相]]）になることと同じである。 ▼
===霊公の擁立===
▲注釈:[[紀元前621年]]、文公の跡を継いでいた[[襄公 (晋)|襄公]]により、[[狐射姑]]が中軍の将になった。趙盾は中軍の佐になったが、襄公の大傅（公子に付いて教育する役）であった陽処父の推薦で、趙盾が中軍の将にされた<ref>晋の軍制では中軍・上軍・下軍の三軍があり、それぞれの将と佐（副将）には[[卿]]（大臣クラスの貴族）が就く。中軍が最も上であり、中軍の将になることは正卿（[[ 中国の宰相|宰相]]）になることと同じである 。</ref>。
同年、襄公が没する。太子の夷皋がまだ幼かったので群臣は襄公の弟を晋公に立てるべきだと話し合った。趙盾の意見により、[[秦]]に仕えていた公子雍を呼び戻して晋公とすることになった。所が狐射姑は[[陳 (春秋)|陳]]にいた公子楽を呼び寄せて晋公にしようとしていたので趙盾はこれに刺客を放って公子楽を殺し、狐射姑は亡命した。しかしこのことで反対派の動向を恐れるようになった趙盾は考えを変えて夷皋を晋公に立てることにし、秦軍の護衛を受けてやってきた公子雍を軍を出して追い払った。この時に公子雍を迎えにいっていた先蔑と[[士会]]は秦へ亡命した。秦は当然晋に対して不快感を持ち、攻撃してきたがこれは撃退した。しかし趙盾は士会が秦にいることを憂えて策を使ってこれを呼び戻した。 ▼
▲同年、襄公が没 する。したが、太子の [[霊公 (晋)|夷皋 が]]はまだ幼かったので 、群臣は襄公の弟を 晋公に立てるべきだと話し合 った。い、趙盾の意見 によりで、[[秦]]に仕えていた公子雍を呼び戻 して晋公とす ることになった。 所がしかし、狐射姑 はが[[陳 (春秋)|陳]]にいた公子楽を呼び寄せ て晋公にしようとしていたので 、趙盾は これに刺客を放って公子楽を殺し 、てしまった。狐射姑は亡命した 。しかしが、このことで反対派の動向を恐れるようになった趙盾は考えを変え て、夷皋を晋公に立てることにし て、秦軍 のに護衛 を受けてやっされてきた公子雍を軍を出して追い払 ってしまった。この 時にとき、公子雍を迎えにいっていた先蔑と[[士会]]は秦へ亡命した。秦は当然 、晋に対して不快感を持ち、攻撃してきたが 、これは撃退した。しかし趙盾は 、士会が秦にいることを憂 えてい、策を使って これを呼び戻した。
翌年、夷皋は即位して[[霊公 (晋)|霊公]]となる。当初は趙盾の言うことをおとなしく聞いていた霊公だが、長ずるに従い趙盾に逆らうようになり、趙盾が諌めても聞こうとしなかった。趙盾と霊公の対立は日に日に深まり、[[紀元前607年]]に霊公は趙盾を殺すために鉏麑と言う刺客を送った。 ▼
▲翌年、夷皋は即位して [[霊公 (晋)|霊公]]とな るった。当初は趙盾の言うことをおとなしく聞いていた霊公だが、長ずるに従 い趙盾にって逆らうようになり、趙盾が諌めても聞こうとしなか った。趙盾と霊公の対立は日に日に深まり、[[紀元前607年]]に霊公は趙盾を殺すために鉏麑と言う刺客を送った。
鉏麑は趙盾の屋敷にやってきたが、趙盾の身の修め方を見て趙盾を殺すことが正しくないと考え、自ら頭を木に打ち付けて自殺した。霊公はそれでも諦めず、[[宴]]に刺客を潜り込ませて趙盾を殺そうとした。趙盾は人の助けによりこれを逃れ、亡命した。趙盾の[[いとこ]]の趙穿は趙盾に対する扱いに怒り、霊公を殺した。この時に趙盾はまだ国境を出ておらず、慌てて晋の宮殿に戻り、襄公の弟の公子黒臀を迎えて晋公に立てた。これが[[成公 (晋)|成公]]である。 ▼霊公と趙盾の対立は日に日に深まり、[[紀元前607年]]、霊公は趙盾を殺すために鉏麑という刺客を送った。
▲鉏麑はしかし、趙盾の屋敷にやってきた が鉏麑は、趙盾の身の修め方を見て 趙盾を、殺すこと がは正しくないと考え、自ら頭を木に打ち付けて自殺し てしまった。霊公はそれでも諦めず、[[ 宴会|宴]]に刺客を潜り込ませて 、趙盾を殺そうとした。趙盾は人の助け によりでこれを逃れ、亡命 しようとした 。趙盾の[[いとこ]]が、従兄弟の趙穿 は趙盾に対する扱いにが怒 り、って霊公を殺し てしまった。この 時にとき、趙盾はまだ国境を出ておらず、慌てて 晋の宮殿に戻り、襄公の弟の公子 [[成公 (晋)|黒臀 ]]を迎えて晋公に立てた。これが [[成公 (晋)|成公]]である。
しかし霊公を殺したことの死に関しては、太史（史官）の[[董狐]]によりって、晋の国史に「趙盾、その君を弑す」と書かれてしまった（弑すは目上の人間を殺すこと）。
趙盾は 董狐に「自分が弑したわけではない」と抗議したが、董狐は「あなたは霊公が殺された後、国境を出ずに帰ってきた。すなわち 、その時点であなたはまだ晋の正卿であるのだから 、反逆者である趙穿を誅する義務があった。それをしなかったのだから 、自らが弑したのと同じだ。」と答えた。この後 は、趙盾はこの 事ことに関して一切反論しなかった。 ▼
▲趙盾は董狐に「自分が弑したわけではない」と抗議したが、董狐は「あなたは霊公が殺された後、国境を出ずに帰ってきた。すなわちその時点であなたはまだ晋の正卿であるのだから反逆者である趙穿を誅する義務があった。それをしなかったのだから自らが弑したのと同じだ。」と答えた。この後は趙盾はこの事に関して一切反論しなかった。
===引退===
その後、趙盾は成公に対して異母弟の趙括を公族にしてもらうようすることを成公に願い、受け入れられた。趙姫の恩を忘れなかったのである。
[[紀元前601年]]、長きに渡る正卿の地位を[[郤缺]]に譲って引退した。何時、いつ死去したのかは不明であるが、「'''宣'''」の謚を与えられ、以後、'''趙宣子'''と呼ばれるようになる。
生前、趙盾はある夢を見た。この夢を占ってみると「絶えて後よし」と出た。この卦の通とおり、趙氏は趙盾の子の[[趙朔]]の時代にその威勢を妬まれて一族皆殺しの目にあったが、唯一逃れた[[趙武]]が趙氏を復興し、大いに栄えた。
==趙盾を題材にした小説==
*[[宮城谷昌光]] 「孟夏の太陽」『孟夏の太陽』所収,、[[文藝春秋]],、1991年。
*[[安西篤子]] 「趙氏春秋」『洛陽の姉妹』所収,、[[講談社]],、1999年。
*
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
*[[趙 (戦国)]]
{{先代次代|[[晋 (春秋)|晋]]の[[趙 (戦国)|趙]]氏当主|2代目|[[趙衰]]|[[趙朔]]}}
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