「双子の赤字」の版間の差分

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日米の貿易摩擦もどこかに入れないとな・・
経済学的背景の追加
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'''双子の赤字'''('''ふたごのあかじ''' 英:'''Double deficit'''、'''Twin deficit''')とは、[[1980年代]]の[[アメリカ合衆国大統領]][[ロナルド・レーガン]]の政権以降、[[アメリカ合衆国]]において莫大な'''貿易赤字'''と'''財政赤字'''が累積している状態を指す。この背景には、レーガン政権において高金利政策が行われたことによってドル高が進行し、海外製品の流入が起こったこと、また、[[スターウォーズ計画]]のような防衛[[政策]]に対する巨額の財政支出や減税政策が行われたことなどがある。そして、[[ジョージ・H・W・ブッシュ]]政権時代の[[1992年]]には、財政赤字はピークに達した。その次の[[ビル・クリントン|クリントン]]政権時代の[[1998年]]から[[2001年]]にかけては黒字であったものの、[[ジョージ・ウォーカー・ブッシュ|ジョージ・ブッシュ]]政権においては、減税政策や[[イラク戦争]]の戦費が[[財政]]を圧迫しているという状況である。
 
==経済学的背景==
国民経済においては、'''「家計」「企業」「政府」「海外」'''という4つの主体が存在する。一般に、
*国民所得:Y
*家計消費:C
*企業投資:I
*政府投資:G
*貿易収支:NX(広義には経常収支に当たる)
 
とした場合
 
Y=C+I+G+NX
 
となる。式を変形すると。
 
(Y-C)-(I+G)=NX
 
となる。これは、総貯蓄(Y-C)-総投資(I+G)=貿易収支NX ということを意味する。他の項目が変わらずに、政府投資Gだけが増加するとNXが減少する。
 
つまり、政府投資を増やすと貿易収支が悪化するということを意味する。また、政府投資増加は財政収支悪化も意味する。このように財政収支悪化と貿易収支が連携しているという考えから双子の赤字という概念が生まれた。
 
この式から明らかなように、財政収支と貿易収支を合算する分析には意味が無い。
 
また、前提条件に「他の項目が変わらずに」ということがあるように、いつでも成り立つわけではない。
 
実際、[[1990年代]]後半のアメリカにおいては、財政黒字と過去最高の経常赤字が同時に発生していた。背景には民間投資(I)の増加による税収と輸入の拡大がある。
 
==関連項目==