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'''反対称性'''(はんたいしょうせい)とは[[数学]]で、ある要素にある[[変換 (数学)|変換]]を施した結果が、元の要素に逆符号を付けたもの([[実数]]でいえば[[絶対値]]が同じで[[正負]]が逆)と等しくなる、という性質をいう。対象分野によっては交代性(こうたいせい)または歪対称性(わいたいしょうせい)とも呼ばれる。このような要素を「その変換に対して反対称である」という。変換によって変化しない「[[対称性]]」に類似した性質であり、対称性・反対称性とも全くない「[[非対称性]]」とは異なる。反対称性の要素に変換を複数回施すと、元と同じになる。
== 例 ==
* [[奇関数]]:[[変数 (数学)|変数]]の反転に対して反対称である[[関数 (数学)|関数]]を奇関数という。
* [[波動関数]]([[量子力学]]):[[空間反転]]操作によって逆符号になる波動関数を、反対称であるという(各[[座標軸]]の反転に対して奇関数であるということ)。それに対して空間反転により変化しない波動関数を対称という。これらで表現される[[電子軌道]]をそれぞれ、反対称性軌道・対称性軌道という。<br/>また、同種の複数の[[フェルミ粒子]]からなる系の全波動関数は、任意の2つの粒子の交換に対して反対称である。
* [[交代式]]:''f(x,y)=x<sup>2</sup>-y<sup>2</sup>'' のように、変数xとyの交換操作によって逆符号になる式をいう。変数交換に対して反対称である。