「形 (囲碁)」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
凝り形 |
編集の要約なし |
||
1行目:
'''形'''（かたち）は[[囲碁用語一覧|囲碁用語]]で、[[眼 (囲碁)|眼]]を作りやすい、相手の攻撃を受けにくい、相手を封鎖しやすいなど何らかのメリットがある、部分的に定まった打ち方のことを指す。「ここはこう打つのが形」「形を整えて反撃を狙う」といったように用いられ
例えば下図の場合、黒1と[[サガリ (囲碁)|サガる]]と、白2[[スベリ]]から4の[[ツキアタリ]]を利かされ、眼形を奪われる。
29行目:
a b c d e f g h i|=
|24|d=d|l=l}}
またこれと逆に、石の働きが重複して能率が悪い形などを「悪形」「愚形」などと表現する。「形」に従って打つことは絶対ではなく、愚形の[[妙手]]というものも存在するが、ある程度の形を身につけることは上達に重要である。
==好形==
石の働きが重複せず、打ちやすい姿であることを「好形」と表現する。眼が作りやすい、後に相手からの[[利かし]]や反撃の余地を与えないなどの状態を指す。
61 ⟶ 63行目:
==愚形==
好形と逆に、石の働きが重複している姿を「愚形」と呼ぶ。本来広く展開できる石が不必要に固まっている状態などを呼ぶ。
{| border="0" style="border:none"
|
95 ⟶ 97行目:
上左図が「空き三角」と呼ばれる典型的な愚形。aの点の[[ダメ (囲碁)|ダメ]]が空いた三角形なのでこの名がある。本来2つ並んだ石からは、上右図の▲のように[[トビ (囲碁)|トンで]]も決して切断されることはない。にも関わらず左図のように隣接させて打っているのは、石の働きがだぶっていると考えられる。なおaの点に白石がある場合には「空き三角」とは呼ばず、愚形でもない。
{{碁盤 9x9|=
a b c d e f g h i
110 ⟶ 112行目:
|24|d=d|l=l}}
白5までの姿は、その形から「陣笠」と呼ばれる。空き三角にさらに石がくっついた愚形。眼形も乏しく、黒に攻撃目標を与えるだけとなる。白5ではaと[[コウ]]で戦うなどが普通。
===凝り形===
石が密集し、その効果が重複して効率の悪い形になっていることを「凝り形」と呼ぶ。
{{碁盤 9x9|=
126 ⟶ 128行目:
|24|d=d|l=l}}
白1と二間に[[ヒラキ (囲碁)|ヒラく]]と、黒2とコスミツケられ、白3となる。この場合、白の2つ並んだ石からは本来aくらいまでヒラきたいところであるにも関わらず（二立三析）、狭く開いてしまっていることになる。これは効率が悪く、「凝り形」ということになる。
===裂かれ形===
{{碁盤 9x9|=
a b c d e f g h i
9| | | | | | | | | |=
8| | | | | | | | | |=
7| | | | | | | | | |=
6| | | | | w| | | | |=
5| | | | | | | | | |=
4| | | b| | w|w4|bT| | |=
3| | | |b3|b1|w2| | | |=
2| | | | | | | | | |=
1| | | | | | | | | |=
a b c d e f g h i|=
|24|d=d|l=l}}
図の形から、例えば隅を守ることだけを考えて黒1・3とツケヒくのは、白4とツガれて黒▲との連絡を自ら断ち切ってしまう。▲は白の強い石に張り付いた形で、自軍の石を自ら弱体化させたことになる。このように、自ら分断されに行くような手を「裂かれ形」と称し、悪形の代表とされる。
==参考図書==
[[三村智保]]『石の形 集中講義―楽に身につくプロの感覚 (MYCOM囲碁ブックス)』2006年
| |||