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Kiku b (会話 | 投稿記録)
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{{Otheruses|物体|お笑いコンビ|磁石 (お笑いコンビ)}}
[[Image:Magnet0873.png|thumb|220px|right|[[砂鉄]]による棒磁石の[[磁力線]]]]
'''磁石'''(じしゃく、magnet)とは、2つの極(磁極)を持ち、双極性の[[磁場]]を発生させる源となる物体のこと。'''マグネット'''とも呼ばれる。[[鉄]]などの[[強磁性体]]を引き寄せる性質を持つ。磁石同士を近づけると、異なる極は引き合い、同じ極は反発しあう。[[地球]]そのものも[[北極]]地方と[[南極]]地方に極を持つ磁石であり、地球が発生させる磁場、すなわち[[地磁気]]に応答して、地球上にある磁石には一方の極を北へ、他方の極を南へ引き寄せ力が加わる。この性質を利用したものが[[方位磁針]]である。磁極の呼称は方位磁針に由来して、北 (North) に引き寄せられる極がN極 (north pole)、南 (South) に引き寄せられる極がS極 (south pole) と呼ばれる。(北極は英語で“north pole”と表現されるが、北極側の磁極はS極 (south pole) である。磁性体としての地球のN極・S極は地理上の北・南とは逆である。)
 
== 原理 ==<!--やさしい解説-->
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== 磁石の歴史 ==
[[古代ギリシア]]では、[[鉄]]を引き寄せる石として磁石はすでに知られていた。[[プラトン]]は、その著書『イオン』にて「[[マグネシア]]の石」として磁石のことを言及している。[[ローマ帝国]]の博物学者[[プリニウス]]は著書『博物誌』にて、マグネスという羊飼いが磁石を偶然発見したと述べている。この「マグネシアの石」ないし「羊飼いマグネス」が、ヨーロッパの様々な言語で磁石を指す言葉であるマグネット (magnet) の語源になったと考えられる。また、[[プリニウス]]の『博物誌』には、[[ダイヤモンド]]が磁石の力を妨げるという奇妙な説が述べられている。
 
磁石に対し近代的な科学の光をあてたのは、[[エリザベス1世 (イングランド女王)|エリザベス1世]]の侍医であった[[ウィリアム・ギルバート (物理学者)|ウイリアム・ギルバート]]である。その著書『磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理学』(De Magnete, Magneticisque Corporibvs,et De Magno Magnete Tellure) においてギルバートは、磁石に関する俗説や既知の現象について詳細に検証している。例えば[[羅針盤]]の指北性を論じるにあたり、球形の磁石を作製し、これに対する磁針の振舞いを観察している。この結果、[[地球]]そのものが磁石であると結論付けている。また、[[琥珀]]などが軽い[[羽毛]]などを引きつける[[静電気|静電引力]]は、磁力とは異なる現象であるとも論じている。ギルバートの実験と論証による方法論は、その後の科学に多大な影響を与えた。