「あしびきの山の雫に」の版間の差分

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'''「あしびきの山の雫に」'''(あしびきのやまのしずくに)は'''演劇作品'''(ミュージカル)。[[宝塚歌劇団]]で公演された。
 
皇位7世紀の宮廷めぐる[[壬申の乱]](672)で勝利して即位舞台とした天武天皇の治世と、天武天皇の子・[[大津皇子]]におこる悲劇を描く、古代ロマン作品。歌劇団専属作家・[[柴田侑宏]]のオリジナル作品(柴田は演出も担当)。
 
同じく柴田による「[[あかねさす紫の花]]」の姉妹編として書かれた作品で、更に柴田は「あしびきの…」に続く時代の作品'''「たまゆらの記」'''も執筆して、「あかねさす…」からの3部作のつもりで書いたと述べている。「あしびきの…」と「たまゆらの記」はそれぞれ別の作品ではあるが、以上に述べた作品の性質により、当項目では共に扱うこととする。
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「あしびきの…」と「たまゆらの記」両作品とも、音楽は柴田との共同作業が多い寺田瀧雄。
 
「あしびきの山の雫に」では壬申の乱や大津皇子の乱(686)、「たまゆらの記」では長屋王の変(729)、と古代史上に名高い政治事件を物語に取り入れ、その周辺に息づく人物を描いていくというのが特徴となっている。
 
 
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==あしびきの山の雫に==
「あかねさす紫の花」(中大兄皇子・大海人皇子と額田女王の恋愛模様を描いた作品)の後の時代を描いた作品で、[[天武天皇]]となった大海人とその子、[[大津皇子]]が中心。
 
大海人皇子は皇位をめぐる壬申の乱に勝ち、天武帝として即位、天皇は鵜野皇后(後の[[持統天皇]])と共に政治改革を進める。また天皇の後継者選びも課題となり、息子たちのうち、文武に秀で、明るい性格の大津皇子に天皇は目をかけるが、鵜野皇后(後の[[持統天皇]])は自分の子・草壁皇子(草壁と大津は異母兄弟)を皇太子にするため大津の大器ぶりに危機感を抱く。そんな中で大津は宮廷に仕える美少女・石川郎女(いしかわのいらつめ)と恋を語るなど、青春を謳歌していたが、天武天皇はやがて崩御。世を去り、天皇の死後、草壁の地位を磐石にするため、鵜野は大津の排除を決意する…
 
出演・天武天皇:[[榛名由梨]]/大津皇子:[[大地真央]]/石川郎女:[[黒木瞳]]
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==たまゆらの記==
「あしびきの…」の更に後の時代、天武天皇の曾孫([[長屋王]]の子)・安宿王(あすかのきみ)を主人公とする。長屋王たち皇族と藤原氏の争い渦巻く宮廷を舞台に、安宿王と、権力をふるう藤原氏の娘・安宿媛(あすかひめ/後の[[光明皇后]])との悲恋(この恋愛は柴田がイメージをふくらませて執筆)を描く。
 
8世紀の宮廷、安宿王、安宿媛、首皇子(おびとのみこ/後の[[聖武天皇]])たちは幼なじみとして育ち、安宿王と安宿媛はいつも喧嘩しながらも惹かれあっていた。やがて彼らは成長、藤原氏は皇太子となった首に安宿媛を嫁がせることを取り決める。首は安宿媛の想いを知りながら媛を迎えることに同意し、安宿媛は首に嫁ぐ。傷心の安宿王は政治に専念して活躍するようになるが、長屋王たち皇族と藤原氏の争いが激化、藤原氏は長屋王の征討に乗り出し、安宿王にも危機が迫る…
 
 
 
 
[[Category:ミュージカル|あしひきのやまのしすくに]]