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651型潜水艦は、冷戦期にソ連海軍が運用した潜水艦。ソ連初の本格的な巡航ミサイル潜水艦として開発された。

651型潜水艦 1986年8月撮影

概要

1950年代、ソ連海軍の戦力は米海軍に比べ劣勢であり、特にアメリカが誇る空母打撃部隊や水上戦闘艦隊はソ連にとって重大な脅威であった。これに対抗すべく、ソ連海軍はミサイル飽和攻撃による米艦隊殲滅作戦を企てた。そのためには、大量の巡航ミサイルの発射能力を持つ潜水艦であった。

このため、ソ連海軍は巡航ミサイル潜水艦を構想し、まず実験台として、611型潜水艦の一部にP-11ミサイルを搭載し、その可能性を検証した。次いで、本格的な巡航ミサイル潜水艦として開発されたのが、651型潜水艦であった。651型は、核弾頭を装備した艦対艦巡航ミサイル4発を搭載し、対米艦隊ミサイル飽和攻撃部隊の一角を担った。搭載兵装として、当初は慣性誘導型対艦ミサイルのP-5、P-6を搭載していたが、後に衛星誘導型のP-500に変更されている。

本型は技術的特徴としては、船体構造に磁場の発生を低下させるためにオーステナイト(γ鋼)製の船体構造材を採用し、静粛性向上のため50mmの硬質ゴム製吸音タイルを船体に貼り付けた。居住性も在来艦より改善され、寝台は乗組員1人につき1台の割合で配置され、空気浄化装置、空調設備も完備していた。

1960年から建造が開始され、当初は36隻の建造が予定されたが、より高性能な巡航ミサイル原子力潜水艦である659型、675型の完成により、16隻で建造は中止された。

諸元

種類 巡航ミサイル潜水艦
建造計画 第651号計画
NATOコード Juliet
基準排水量 水上3174t、水中4137t
寸法 全長85.9m、全幅9.7m、喫水6.9m
速力 水上16ノット、水中14ノット
可潜深度 240m
乗組員 82名
主機 ディーゼル発動機(4000馬力)、電動機(3000馬力)、2軸推進
兵装 533mm発射管(艦首6門、艦尾4門)、巡航ミサイル4発

関連項目