「分配係数」の版間の差分

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'''[[データマイニング]]'''法では、[[サポートベクターマシン]]・[[ニューラルネットワーク]]・[[決定木]]などを用いて、化学構造が近く分配係数が既知の化合物で[[機械学習|学習]]させることで、目的化合物の分配係数を求める。
 
概要で示したように、分配係数の熱力学的根拠は分子と溶媒との相互作用の違いに起因する。そこで、それぞれの溶媒との相互作用に伴う化学ポテンシャルの差を求めることで理論的に分配係数を求めることが期待される。まず、半経験的分子軌道法計算プログラムMOPACの1990年頃のバージョンにおいて溶媒の連続体近似により、誘電率を与えることで分子構造の立体エネルギーの計算から化学ポテンシャルを算出、ここから水の誘電率で計算したものを引けばΔμに相当する数値が得られるとされたCOSMO法近似がよい成績を出した。理論的な推算手法に対しては、この時期から現実的有用性が認知されるようになった。またその頃パソコンでもまともなパフォーマンスが得られるようになったため、非経験的分子軌道法(ab initio MO)計算や密度汎関数(DFT)計算の利用が大幅に拡大したが、これに伴って精度の高い分配係数計算が可能となりつつある。詳細は、[[MOPAC]], [[GAUSSIAN|Gaussian]], [[GAMESS]] や市販のプログラムについて検討されたい。フラグメント法やその他に提案されているデータマイニング手法との違いは、理論計算では立体構造(コンフォメーション)の多様性について統計力学的に処理する必要性があることだろう。
 
== 参考文献 ==