「悪性症候群」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎機序: ドーパミンへのリンク
→‎機序: 英語版より追加
22行目:
 
== 機序 ==
最も有力な説によると、[[ドパミン]]D2受容体の遮断が関係していると考えられている。
 
NMSは一般に神経遮断薬によって引き起こされ、広い範囲の薬剤作用に原因がある。<ref name="benzer">{{cite web|url = http://www.emedicine.com/EMERG/topic339.htm|title = Neuroleptic Malignant Syndrome|publisher = Emedicine|author = Theodore I. Benzer, MD, PhD|year = 2005}}</ref> ハロペリドールおよびクロルプロマジンを投与された患者において最もリスクが高いことが報告されている。特に[[パーキンソン病]]などの患者の場合に、L-ドーパなどの[[ドパミン]]作動薬を投与されている状態から、急に投与量を減少させた際にも発生する。<ref> Daniel L. Keyser and Robert L. Rodnitzky
Neuroleptic Malignant Syndrome in Parkinson's Disease After Withdrawal or Alteration of Dopaminergic Therapy
Arch Intern Med, APRIL 1991; 151: 794 - 796. </ref> 加えて、神経遮断薬としては用いられない薬剤でも、抗ドパミン作用を有するものであれば、NMSを誘発することがある(例、[[メトクロプラミド]])。<ref> Lawrence S. Friedman, Larry A. Weinrauch, and John A. D'Elia
Metoclopramide-Induced Neuroleptic Malignant Syndrome
Arch Intern Med, August 1987; 147: 1495 - 1497. </ref> アモキサピンおよび[[リチウム塩|リチウム]]などの、抗ドパミン作動活性が知られていない薬剤でさえ、NMSに関与する。また、デシプラミン 、ドチエピン、リチウムおよびフェネルジン、テトラベナジン、レセルピンがNMSの原因になることも知られている。<ref name ="buckley">Buckley PF and Hutchinson M: Neuroleptic Malignant Syndrome. J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 1995; 58; 271-273</ref> 分子レベルで考えるとNMSは、ドパミン作動薬の打ち切り、または、ドパミン受容体の遮断のどちらかが誘発する、ドパミン活性の顕著かつ突然の減少により引き起こされる。
 
===リスク因子===
NMSの発症に最も際立っているリスク因子は、治療のために行われる薬物療法である。効能の高い神経遮断薬、神経遮断薬の用量の急増、長時間作用型神経遮断薬の使用は全て、発症リスクを増大させることが知られている。<ref>Keck PE Jr, Pope HG Jr, Cohen BM. Risk factors for neuroleptic malignant syndrome. A case-control study. Arch Gen Psychiatry. Oct 1989;46(10):914-8.</ref>
 
遺伝的リスク因子が存在すると推測されており、ある症例の中で一卵性双生児の両方がNMSを呈したり、別の症例では母親と娘2人がNMSを呈しことがある。<ref>Otani K, Horiuchi M, Kondo T. Is the predisposition to neuroleptic malignant syndrome genetically transmitted?. Br J Psychiatry. Jun 1991;158:850-3.</ref>
 
人口統計的には、特に40歳未満の男性に最大のリスクがあるとされているが、40歳未満の男性において神経遮断薬の使用が増加したために症例数が増えたのかどうか、明確にはなっていない。<ref name="benzer" /> 出産後の女性の方がリスクが大きいこともまた示唆されている。<ref>Alexander PJ, Thomas RM, Das A. Is risk of neuroleptic malignant syndrome increased in the postpartum period?. J Clin Psychiatry. May 1998;59(5):254-5.</ref>
 
== 検査 ==