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『'''一番美しく'''』(いちばんうつくしく)は[[1944年]][[東宝]]の[[日本映画]]。[[黒澤明]]監督作品。
== 概要 ==
敗色濃厚となっていた[[第二次世界大戦]]下で製作された。当初は[[零戦]]を使った活劇を製作する案があったが、物資が逼迫し始めた状況において、映画製作のための[[兵器]]貸出は困難だったため、その代わりとして、[[軍需工場]]で働く[[女子挺身隊]]員達の姿をドキュメンタリータッチで描こうというアイデアにより生まれた作品。いずれにしても、戦意高揚の目的を担った映画であるのは、この時期に製作された映画に通じて言えることであり、本作品もそのひとつである。
ただし、すでに日本の敗色濃厚となった時期に製作されたためもあってか、戦意高揚というよりも祖国のために必死で働く女工たちを暖かく見つめた作品である。
表面的には、戦後製作された「わが青春に悔いなし」とは真逆のベクトルを持った作品(戦争協力と反戦)のようにも見えるが、女主人公が彼女の信ずる目的のためにひたむきに働く描写などは共通しており、後に
「生きる」でひとつの結実を見ることになる。
 
黒澤映画の中では注目されることもなく、評価が高いわけでもないが、黒澤は自作の中で「一番可愛い」といい、木下恵介は黒澤作品の中で一番好きな作品としてあげている。
 
また、敵国アメリカの作曲家スーザの行進曲を女工たちが工場で熱心に働いてる(敵国アメリカと戦う兵器生産のため)場面に使うなど、黒澤らしい反骨精神も垣間見ることができる。
この件に関し、黒澤はかつて自分の作品の描写に「米英的でけしからん」と何度もケチを付けた検閲官が、アメリカの行進曲を使ったのにもかかわらず、何の文句もいわなかった事を皮肉ぽく「蝦蟇の油」の中で
述懐している。
 
== あらすじ ==