「海上自衛隊の礼式」の版間の差分

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;賞状等を受ける場合の各個の敬礼 :海上自衛官は、室内において[[賞状]]等を受けるときは、授与者から約3歩のところにおいて停止して敬礼を行った後適宜前進し、賞状等を受ける際、[[軍服|帽]]を左脇に挟み、右手を以て賞状等を受け左手を添えて一覧し、終わって左手に移すとともに帽を右手に移して適宜後退して元の位置に復し、再び敬礼を行って退去する。室外において、賞状等を受けるときの動作は、授与者から約6歩のところにおいて停止して敬礼を行うほか、室内の場合に準ずる。
;右手を挙げることができない場合の各個の敬礼 :[[挙手の敬礼]]を行うべき場合において、両手に物を持っているとき、その他右手を挙げることができないときは、脱帽時の敬礼の要領により行う。
;敬礼の省略 :海上自衛官は、受礼者である[[自衛官]]が[[ (自衛隊)|制服]]を着用していない場合、その他敬礼を受けるべき者であるかどうかを確認できない場合は、敬礼を省略することができる。海上自衛官は、海上自衛隊の建物の内部又は艦船においては、特別の定めのある場合のほか、起床から課業始め(休日又は休養日日課の場合は[[国旗]]又は自衛艦旗掲揚時)までの時間を除き、同一[[中隊]]等に属する上級又は同位[[海曹]]に対する敬礼を省略することができる。この場合において、互いに接舷して係留中の艦船は同一の艦船とみなす。海上自衛官は、制服を着用していない場合は、特に礼式上敬礼を行うことが必要であるときを除き、敬礼を省略することができる。
 
== 隊の敬礼 ==
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== 自衛艦の敬礼 ==
;自衛艦の敬礼の省略 :自衛艦の敬礼は、[[日没]]時から[[日出]]時までの間及び[[演習]]に従事している場合及び乗組員全員を以て訓練を実施している場合及び出入港時、狭水道通過時等において乗組員並びに自衛艦の保安上敬礼を行うことが困難な場合には省略するのを例とする。[[巡検]]後から[[総員起こし]]までの間においては、礼式のうち、舷門堵列員の整列及び号笛を以てする礼式は省略するのを例とする。部隊の長の定める作業地にある場合においては、その指揮下の自衛艦相互の敬礼は省略する。
 
=== 自衛艦の敬礼 ===
;自衛艦の敬礼の対象 :[[自衛艦]]は、乗艦中の[[指揮官]]が上位者又は同一の[[軍隊の階級|階級]]の先任者である自衛艦に対して敬礼を行う。自衛艦は、自ら内閣総理大臣旗、防衛大臣旗、統合幕僚長旗、海上幕僚長旗、海将旗、海将補旗又は代将旗(以下「内閣総理大臣旗等」という)を掲げていない場合においては内閣総理大臣旗等を掲げている自衛艦に対して、自ら内閣総理大臣旗等を掲げている場合においては、海上自衛隊旗章規則(昭和30年海上自衛隊訓令第44号)第2条に定める旗章の序列の上位の旗を掲げている自衛艦に対して、敬礼を行う。自衛艦は、編隊又は集団をなす自衛艦に対し敬礼を行うべき場合は、隊司令旗を掲げている自衛艦(隊司令旗を掲げている自衛艦がいないときは、その編隊又は集団をなす自衛艦の指揮官の乗艦する自衛艦)に対して敬礼を行う。敬礼を受けた自衛艦は、答礼を行う。
[[Image:Signalbugle.jpg|thumb|300px|right|自衛艦で使用されている[[信号ラッパ|らっぱ]]。2006年6月10日。]]
;自衛艦の敬礼の手順 :敬礼を行う自衛艦は、[[信号ラッパ|らっぱ]]又は号笛を以て「[[気を付け]]」を令し、上甲板以上にある[[幹部自衛官]]及び[[准海尉]]は挙手の敬礼を、上甲板以上にある[[海曹長]]以下の自衛官・海士は姿勢を正す敬礼を行う。それに対し、答礼を行う自衛艦は、らっぱ又は号笛を以て「気を付け」を令し、乗艦中の最高指揮官は挙手の敬礼を、上甲板以上にある自衛官は姿勢を正す敬礼を行う(幹部・准海尉も挙手の敬礼を行わない。)
;自衛艦の敬礼の始期及び終期 :自衛艦は、敬礼を行う自衛艦の艦首又は艦尾が敬礼を受ける自衛艦の艦首又は艦尾を通過するときから敬礼を始め、答礼が終わるまで継続する。但し、距離の遠近及び態勢等によりその時機を適宜変更することができる。
;旗章を掲げた短艦に対する敬礼 :自衛艦は、内閣総理大臣旗、防衛庁長官旗、統合幕僚旗、海上幕僚長旗、海将旗、海将補旗又は代将旗を掲げた短艇に行き合い又は近づいた場合は、当該短艇に対して敬礼を行う。
 
=== 登舷の敬礼 ===
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自衛艦は、[[天皇旗]]を掲げている自衛艦その他の船舶及び[[観艦式]]における観閲官の乗艦する自衛艦等に対しては、登舷の敬礼を行う。遠洋航海等のため出航する自衛艦([[練習艦隊]])とこれを見送る自衛艦との間においても同様である。
 
登舷の敬礼は、「登り方用意」「登れ」の号令で乗員が舷側に整列する。服装は、白手袋着用の礼装である。らっぱ又は号笛を以て「気を付け」を令し、総員が舷側又は上甲板に整列し、幹部自衛官及び准尉は挙手の敬礼を、長以下の自衛官・海士は姿勢を正す敬礼を行う。
 
登舷の敬礼を行う場合は、敬礼を受ける自衛艦との最近接点の方位の約45度前から敬礼を始め最近接点の方位の約45度方向に遠ざかるときまで継続する。但し、距離、速力等によりその時機を適宜変更することができる。
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=== 自衛艦旗を掲揚し又は降下する場合の敬礼 ===
[[Image:JMSDF Flag.JPG|thumb|300px|right|掲揚された[[自衛艦旗]]。2002年9月21日。]]
自衛艦において定時に[[自衛艦旗]]を掲揚し又は降下するときは、定時10秒前にらっぱを以て「気を付け」を令して定時に国歌([[君が代]])1回を奏し、この間次の各号に定めるところにより敬礼を行う。当直士官は、[[艦橋]]又は後甲板付近に位置し、自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行う。艦橋及び露天甲板にある者は、自衛艦旗に対し挙手の敬礼を行い、その他の場所にある者は、姿勢を正す敬礼を行う。海上自衛官は、陸岸において自衛艦旗の掲揚又は降下を目撃するときは、その場に停止し、当該自衛艦旗に対し敬礼を行う。
 
音楽隊の乗り組んでいる自衛艦が、外国軍艦と同所に在泊し、定時に自衛艦旗を掲揚又は降下するときは、「国歌」を奏した後外国軍艦の首席指揮官の先任順序により逐次当該国の[[国歌]]1回を奏する。但し、外国の港湾に在泊するときは、「国歌」に続き当該国の国歌を先に奏する。自衛艦が外国軍艦と同所に在泊し、定時の自衛艦旗の掲揚又は降下に際して外国軍艦において奏する「国歌」を聞き、又は自衛艦において外国の国歌を奏するときは、艦橋及び露天甲板にある者は自衛艦旗又は当該国の軍艦旗に対し挙手の敬礼を行い、その他の場所にある者は起立して姿勢を正す敬礼を行う。
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=== 自衛艦を出入りする者に対する敬礼 ===
[[Image:Japanese-delegation-leaving-uss-missouri-k15394.jpg|thumb|300px|right|(参考)米海軍で外国国務大臣・参謀総長等に対して舷門堵列員等を以て送迎している様子。1945年。]]
幹部自衛官等が自衛艦を出入する際は、送迎を行うほか、特定の礼式を原則として行う。送迎を行うに際しては、幹部自衛官及び准海尉は挙手の敬礼を行い、海曹及び海士は警衛、舷門堵列員(舷門堵列員は海士で、2名ないし8名で、通常礼装)及び号笛を吹く者のほか、姿勢を正す敬礼を行う。[[陸上自衛官]]又は[[航空自衛官]]が自衛艦を出入する際は、その階級に応じて準用するが、舷門堵列員の整列及び号笛を以てする礼式は行わないのを例とする。舷門堵列員等の整列は、舷門側から、舷門堵列員を向かい合わせで並べ、次に当番<ref>当番とは、当直士官の命を受け、当直海曹の監督のもと、命令、号令の伝達、自衛艦旗の掲揚・降下、舷門における送迎及び舷門付近の清掃等に従事する当直員である(自衛艦の艦内の編制等に関する訓令)。</ref>、当直海曹又は警衛海曹、副直士官、当直士官の順である。
 
この自衛艦を出入りする者に対する敬礼は、2人以上の受礼者が同時に出入する場合は、そのうち最上位者等に対するもののみ行い、2人以上の受礼者が連続して出入する場合は、そのうちの主な者に対するもののほか、適宜その一部又は全部を省略することができる。
 
受礼者が艦長・艇長である場合は、副長・当直士官が送迎を行う。受礼者が当直士官よりも高位の幹部である場合は、当直士官が送迎を行う。通常の、その乗艦(艇)を出入する場合には、舷門堵列員による敬礼はない。
 
== 短艇の敬礼 ==
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== 葬送式 ==
葬送式の実施要領は、原則として次の通りである。礼式は、配員の状況等により[[儀仗隊]]を編成することが困難な場合又は葬送式場の部隊等の所在地から遠隔の地であって儀仗隊を派遣することが困難な場合は、省略することができる。
#自衛艦において葬送式を行う場合は、[[儀仗隊]]は葬送式場に整列し、葬送式終了の際は柩に対して着剣[[捧げ銃]]の敬礼を行い、弔銃(斉射3回)を発する。
#陸上において葬送式を行う場合は、儀仗隊は、柩が葬送式場に至る途中その前後を警衛し、及び葬送式場に整列し、葬送式終了の際は柩に対して着剣捧げ銃の敬礼を行い、弔銃(斉射3回)を発する。
#音楽隊又はらっぱ手は、敬礼及び弔銃に際しては「悲しみの譜」を、柩の儀じように際しては「葬送の譜」を奏する。
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# 艦長が舷門に達する時に号笛を吹く。
# 艦長が舷門堵列員の前を通過する間、舷門堵列員(通常礼装の海士4名)は一斉に挙手の敬礼を行う。また、舷門堵列員の次に当番、当直海曹又は警衛海曹、副直士官、当直士官が並ぶ。
# 送迎に際しては、幹部自衛官及び准海尉は挙手の敬礼を行い、海曹及び海士(警衛、舷門堵列員及び号笛を吹く者を除く。)姿勢を正す敬礼を行う。
 
=== 着任式 ===
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== 関連法令等 ==
* [http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1964/ax19640508_00014_000.pdf 「自衛隊の礼式に関する訓令」(昭和39年5月8日防衛庁訓令第14号)(PDF)]
* [http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/e_fd/1965/ey19650524_00033_000.htmlpdf 「海上自衛隊礼式規則」(昭和40年5月24日海上自衛隊達第33号)]
* [http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/e_fd/1965/ez1966201ez19660117_00201_000.htmlpdf 自衛隊の礼式に関する訓令並びに海上自衛隊礼式規則の解釈及び運用方針について(通達)(昭和41年1月17日海幕総第201号)]
 
== 関連項目 ==