「干しいも」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 製法の訂正、栄養素の記載追加
Uguisuan (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
3行目:
 
== 概要 ==
色は暗い黄緑がかった褐色をしている。大きさはサツマイモによって様々だが、一般的に店頭で販売されているものは一片が長さ10~15cm、幅5cm程度の細長く薄い板状をしている(平干し)適度薄切りにし水分を含む為いまま干した「丸干しいも」と呼ばれる長さ10cm直径2~3cm程度の棒状のものもある噛み応えとサツマイモらほか、近年は食べやすいように角棒状に細切りにた商品も出回って甘味る。表面特徴的白い粉覆われている場合がある。コレステロールが、これ芋の自己分解で生まれず整腸作用の食物繊維を多く含みアルカリ食品とした糖分が表面に出結晶化した優秀で、ビタミンB1,ビタミンC,[[リウムを多く含むビ]]ではない
 
適度な水分を含む為、粘度のある噛み応えとサツマイモらしい甘味が特徴的である。そのまま生で食べてもよいが、火であぶるとやわらかく甘味も増し、また表面を軽く焦がすことにより、香ばしさが生まれる。シンプルな製法のため家庭でも作られることが多いが、蒸し方にはある程度のコツが必要となる。
 
栄養面でも優れている。[[コレステロール]]は含まれず、整腸作用のある[[食物繊維]]を多く含む。[[チアミン|ビタミンB1]]や[[ビタミンC]]、[[カリウム]]にも富んでいる。[[酸性食品とアルカリ性食品|アルカリ食品]]に分類されることも、健康に良い根拠として挙がる場合がある。
先述のとおり複雑な製法ではないが時間と手間がかかるため、価格は1袋500gで1000円程度するものもある。また製造時の端切れを集めたものを「せっこう」と言い、通常品の半値程度で販売されている。形が整っていないために二級品扱いで安価ではあるが、味は変わらない。他に、干しいもの表面が白い粉で覆われている場合があるが、これは芋の自己分解で生まれた糖分が表面に出て結晶化したもので[[カビ]]ではない。
 
のとおりするように複雑な製法ではないが時間と手間がかかるため、価格は1袋500gで1000円程度するものもある。また製造時の端切れを集めたものを「せっこう」と言い、通常品の半値程度で販売されている。形が整っていないために二級品扱いで安価ではあるが、味は変わらない。他に、干しい家庭での表面作ること白い粉覆われてい場合、美味しく仕上げるには蒸し方にあるが、これは芋程度自己分解で生まれた糖分コツ表面に出て結晶化したもので[[カビ]]では必要と
 
[[蒸す|蒸して]]から干す現在の製法が確立されたのは、[[文政]]年間の頃、現在の[[御前崎市]]にあたる地域であると言われる。その後、保存食として全国各地に広まった。[[日露戦争]]で軍用[[レーション]]としても活用され、軍人いもと呼ばれた。[[明治]]時代末から茨城県での生産が始まり、現在は圧倒的なシェアを誇るになっている。
 
== 製法 ==
Image[[ファイル:Hoshi-imo.JPG‎|thumb|200px|薄切りにいもた芋ビニールハウスで天日干ししている様子]]
収穫後のサツマイモを水で洗って、皮をつけたまま1~2時間ほど蒸しあげる。蒸し器から出した後、皮をむき、[[すだれ]]に広げ冬場の寒風を利用して天日で1週間程度干す。そのまま干されることもあるが、ピアノ線などを使って1センチ程度の厚さに切られてから干されることが多い。切らずにそのまま干したものは「丸干しいも」と呼ばれ20日ほどの乾燥が必要になる。
Image[[ファイル:Tamayutaka.JPG‎|干しいものthumb|200px|原料になる玉豊種のサツマイモ]]
収穫後のサツマイモを水で洗って、皮をつけたまま1~21~2時間ほどかけて蒸しあげる。蒸し器から出した後、皮をむき、[[すだれ]]に広げ冬場の寒風を利用して天日で1週間程度干す。そのまま干されることもあるが、[[ピアノ線]]などを使って1センチ1cm程度の厚さに切られてから干されることが多い。切らずにそのまま干したものは「丸干しいも」と呼ばれの場合、20日ほどのより長期の乾燥が必要になる。良く乾燥させた方が保存性は高くなるが、食感は固くなる。
 
サツマイモの甘味を増やすため、サツマイモを収穫後寒気にあて[[糖化]]させるなどの工夫もしている。
 
近年は、衛生確保のため[[ビニールハウス]]や[[網]]を張って乾燥させていることが多い。また温暖化の影響で天日乾燥が難しくなったため機械乾燥で生産されたものもある。蒸すのではなく、[[茹でる|茹でた]]ものを干す場合もあるが、この場合[[デンプン]]が[[デンプン#糊化|糊化]]しないので蒸したものより堅くなる。
 
原料となるサツマイモの品種は玉豊種(タマユタカ、農林22号)が主でいずみ種も使用される。[[2005年]]頃からは、新品種の玉乙女種も使用されている。主力の玉豊種は今では干しいも専用品種に近いサツマイモで、[[1970年]]頃から使用されるようになった。他の品種と比べて大型で、外皮、肉色とも白く、食感はホクホクではなくネットリしている。
 
サツマイモの収穫後に製造されるため、必然的に干しいもの製造は冬季から初春に行われるが、[[冷凍]]保存されたものが一年を通じて[[流通]]している。
<gallery>
Image:Tamayutaka.JPG‎|干しいもの原料になる玉豊種
Image:Hoshi-imo.JPG‎|干しいもを天日干ししている様子
</gallery>
 
== 産地 ==
28 ⟶ 30行目:
 
== 保存方法 ==
室温保存も可能であるが、[[保存料]]等は使われておらず、さらに最近のものは食感を良くするため乾燥しすぎないようにしているのでカビが発生しやすく、[[クレーム]]の多食品の一つである。このため[[冷蔵庫]]での保存が好ましい。冷凍にすれば長期保存が可能である。なお、適切な保存がされないでカビが生えてしまい、[[クレーム]]を招くことの多い商品の一つである。前述のように表面に白い糖分が結晶化することがあり、これがカビと見間違えられただけのケースも中にはある。
 
店頭販売用の干しいもは、バリア密封性の高い[[フィルム]]で作られた包装袋に干しいもと[[脱酸素剤]]同封することで、日持ちを向上させている。
 
== 関連項目 ==