「特許法」の版間の差分

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#:以前から実用新案登録出願を特許出願に変更することが可能であった(46条2項)が、出願の変更は実用新案登録出願が特許庁に係属中(すなわち、出願の却下や登録がなされる前)に行わなければならないことから、[[審査官 (特許庁)|審査官]]による審査が行われずに短期間で登録される(実用新案法14条2項)実用新案登録出願を特許出願に変更できる期間はわずかに数ヶ月と短かった(特許庁によれば、実用新案登録出願の平均係属期間は約5ヶ月)。そこで、登録後の実用新案に基づいて特許出願を行うことを認めることにより、実用新案の使い勝手を向上させた。背景には、特許出願の審査滞貨の増大に悩む特許庁が、実体審査が不要な実用新案の利便性を高めて、特許出願を減少させたいという思惑がある。
# 無効理由による権利行使制限(特許法第104条の3)
#:かつては特許権の侵害訴訟の場で裁判所が特許の有効性を判断することはできず(無効審判で無効にならない限り、有効な特許権として取り扱うしかない)、特許を無効にするためには無効審判の手続によるしかなかった。ところが「[[キルビー特許]]事件」の[[[最高裁判所 (日本)|最高裁]][[判決]](最高裁平成12年4月11日判決、民集54巻4号1368頁)により、特許権に「明らかな無効理由」が存在すると認められる場合には当該特許権に基づく権利行使は権利の濫用であって許されないと判示され、以後、[[判例法]]により侵害訴訟の場において裁判所が特許権に「明らかな無効理由」が存在するかどうかを審理することが可能となった(権利濫用の[[抗弁]])。平成16年改正により、いわば権利濫用の抗弁を条文化する形で、侵害訴訟において裁判所が特許の有効性を判断することを認めた。ただし、最高裁が判示した権利濫用の抗弁とは異なり、無効理由が「明らか」であることは要件としておらず、無効理由があると認めた場合には権利行使ができないものとした。なお、本条によっても侵害裁判所が特許権を対世的に無効とすることはできず、その訴訟において権利行使ができないだけである。
# 秘密保持命令(特許法第105条の4~第105条の6)、当事者尋問等の公開停止(特許法第105条の7)
#:特許権に関する訴訟においては、特許の性質上、公開の場で明らかにすることが当事者にとって著しく不利益になる営業秘密に関する事項を審理する必要がある場合が少なくない。一方、そのような理由により当該事項について十分な審理しないことは妥当性を欠く。そこで、特許権侵害訴訟において営業秘密について陳述する必要がある場合には、当事者等に対し裁判所が秘密保持命令を発することができることとするとともに、裁判の公開の原則に対する例外として、当事者に対する尋問等を非公開とすることができることとした。