削除された内容 追加された内容
+aimai,+ref,+lk
1行目:
'''戸長'''(こちょう)とは、* [[日本]]の[[明治]]時代前期に区・町・村に設置された行政事務責任者のこと。後述
* [[台湾]]の[[戸籍]]制度上の戸籍筆頭者<ref>{{PDFlink|[http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/Ajia/pdf/200803/04kamio.pdf 鈴木賢「台湾の戸籍とジェンダー」]}} - [[日本貿易振興機構]][[アジア経済研究所]]研究支援部『アジ研ワールド・トレンド』第14巻第4号、59ページ、2008年</ref>。
----
'''戸長'''(こちょう)とは、[[明治]]時代前期に区・町・村に設置された行政事務の責任者のこと。
 
== 概要 ==
[[1871年]][[5月23日]]([[明治]]4年[[4月5日 (旧暦)|4月5日]]([[1871年]][[5月23日]])に[[戸籍法]]<ref>[http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40022968&VOL_NUM=00006&KOMA=94&ITYPE=0 明治4年4月4日太政官第170布告]</ref>が制定された際に、7・8ヶ村を「区」と呼ばれる単位に編成して[[戸籍]]を区単位で管理することとした。各区にはその責任者として戸長・副戸長が置かれた。[[1872年]][[5月15日]](明治5年[[4月9日 (旧暦)|4月9日]]([[1872年]][[5月15日]])に[[太政官布告]]によって、旧来の[[庄屋]]・[[名主]]などの村役人の呼称を廃止して戸長・副戸長と呼ぶこととなった<ref>荘屋名主年寄等ヲ廃シ戸長副戸長ト改称シ給料並ニ諸入用割合ヲ定ム - [http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40022968&VOL_NUM=00007&KOMA=100&ITYPE=0 同日、太政官第117号布告]</ref>。だが、従来の「区」との関連付けが不十分であったために、同年[[11月10日]]([[10月10日 (旧暦)|10月10日]](1872年[[11月10日]])に旧来の郡・町・村の行政区分を廃して[[大区小区制]]を導入、大区に長、小区に戸長<ref>[http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198101/hpbz198101_2_042.html 学制百年史] - [[文部科学省]]</ref>・副戸長を設置することとして、戸長・副戸長は戸籍の管理のみならず、明治政府による行政政策の実施にあたるようになった。ただし、細かい規定は府県などに任されていたため、副戸長も「戸長」と呼ばれる場合が多く、選出方法もまちまちであった。
 
明治11年([[1878年]](明治11年)の[[郡区町村編制法]]では、旧来の郡・町・村を復活させ、各町村(小規模町村では複数の町村単位)ごとに民選の戸長を選出することとし、戸長が行政事務を行うための[[戸長役場]]も設置されることになった。戸長はかつての庄屋・名主層などの[[名望家]]から選出される場合が多かった。また、その職掌は戸籍の管理と並んで、地券管理・国税徴税・義務教育・徴兵事務・布告布達の伝達・水利土木厚生等公共事業の施工などに及んだ。戸長は政府の地方官(旧来の代官)としての側面と旧来の村役人としての性格を並存させており、その矛盾は戸長が[[自由民権運動]]の指導者となる形で現れることになった。
 
[[1884年]](明治17年[[1884年5月7日]]、政府は戸長制度の改革を行い、戸長を知事の任命による官選に切り替えて平均5町村500戸に戸長1名を置く制度に変更した<ref>[http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40022968&VOL_NUM=00019&KOMA=120&ITYPE=0 同日、太政官第41号達「戸長撰任方」] - [[国立国会図書館]]</ref>。これに伴って戸長役場も連合戸長役場に再編されるものもあった。これによって政府の国策に忠実な行政官を戸長に任命することが可能になったが、一方で戸長の給与を改善して既存の戸長を政府側に取り込む措置も図られた。[[1889年]](明治22年)の[[市制]]・[[町村制]]の導入によって廃止された。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
* 大島太郎「戸長」[[国史大辞典 (昭和時代)|国史大辞典]] 6』[[吉川弘文館]]、1985年ISBN 978-4-642-00506-7)7
* 大島美津子「戸長」『日本史大事典 3』[[平凡社]]、1993年ISBN 978-4-582-13103-1) 1
* 奥村弘「戸長」『日本歴史大事典 2』[[小学館]]、2000年 ISBN 978-4-095-23002-3)3
 
{{DEFAULTSORT:こちよう}}