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'''神居古潭'''(かむいこたん)は[[北海道]][[旭川市]]にある地区の名称であり、また同地区を流れる[[石狩川]]の急流を望む景勝地の名称。地名は[[アイヌ語]]の[[カムイコタン]](神の住む場所)の音訳である。
 
石狩川両岸が美しい景勝地であることから、[[旭川八景]]の一つに選定されている。
 
== 概要 ==
[[ファイル:Kamuikotan.jpg|thumb|200px|神居古潭を流れる[[石狩川]]]]
[[ファイル:Ishikari_river_at_kamui_kotan.jpg|thumb|200px|同上]]
*石狩川が[[上川盆地]]を抜け、[[石狩平野]]へと流れていく途中の渓谷にあり、川の流れは細くかつ急になっている。川の最深部は水深70mにも達すると言われている。水上交通に依存していた[[アイヌ]]にとっては最大の難所であり、しばしば犠牲者が出たこと、あるいは無事な通過を神に祈ることから、カムイコタンという地名になったとする説がある。
*地区内には北海道指定[[史跡]]の「神居古潭[[竪穴式住居|竪穴住居]]遺跡」や[[ストーンサークル]]など、[[縄文時代]]にさかのぼる遺跡群が点在し、古くから集落が存在していたことが示されている。
 
*1898年、石狩川の北岸に沿って[[函館本線]]が開通し、1901年に[[神居古潭駅]](当初は簡易停車場)が設置されたのに伴い、対岸の集落との間に当所初めての橋となる「巻橋」が架けられた。1969年、函館本線の[[線形 (路線)|線形]]改良によって神居古潭駅が廃止された。現在は旧線跡がサイクリングロードとなり、駅舎も復元されて休憩所として利用されている。旧駅舎は旭川市指定の[[有形文化財]](建造物)でもある
地区内には北海道指定[[史跡]]の「神居古潭[[竪穴式住居|竪穴住居]]遺跡」や[[ストーンサークル]]など、[[縄文時代]]にさかのぼる遺跡群が点在し、古くから集落が存在していたことが示されている。
*1969年、函館本線の[[線形 (路線)|線形]]改良によって神居古潭駅が廃止された。現在は旧線跡がサイクリングロードとなり、駅舎も復元されて休憩所として利用されている。旧駅舎は旭川市指定の[[有形文化財]](建造物)でもある。
 
*旧[[国道12号]]が石狩川の南岸に沿って通っていたが、1983年にトンネルを通る新ルートに切り替えられた。1938年に建造された[[神居大橋]]が川の両岸を結んでいる
1898年、石狩川の北岸に沿って[[函館本線]]が開通し、1901年に[[神居古潭駅]](当初は簡易停車場)が設置されたのに伴い、対岸の集落との間に当所初めての橋となる「巻橋」が架けられた。1969年、函館本線の[[線形 (路線)|線形]]改良によって神居古潭駅が廃止された。現在は旧線跡がサイクリングロードとなり、駅舎も復元されて休憩所として利用されている。旧駅舎は旭川市指定の[[有形文化財]](建造物)でもある。
*1938年に建造された[[神居大橋]]が川の両岸を結んでいる。
 
*[[紅葉]]の名所でもあり、毎年[[秋分の日]]には「こたんまつり」が開催される。
旧[[国道12号]]が南岸を通っていたが、1983年にトンネルを通る新ルートに切り替えられた。1938年に建造された[[神居大橋]]が川の両岸を結んでいる。
*なお、2008年1月19日に最低気温-47.2度を記録したが、のちに機器の故障による誤表示であることが確認された。
 
[[紅葉]]の名所でもあり、毎年[[秋分の日]]には「こたんまつり」が開催される。
 
2008年1月19日に最低気温-47.2度を記録したが、のちに機器の故障による誤表示であることが確認された。
 
=== 地質 ===
*当地は[[地球科学|地学]]([[地質学]])の分野でも注目されている。
*川岸には小石が川床を[[侵食]]して形成された「神居古潭[[甌穴|おう穴]]群」があり、旭川市指定[[天然記念物]]となっている。
 
*北海道を南北に分断する特徴的な[[構造帯]]は当地を縦断し、神居古潭構造帯([[変成岩]]帯)の名で知られる。2007年には、「神居古潭渓谷の変成岩」が[[日本の地質百選]]に選定された。
 
== カムイコタンの伝承 ==
上記のように石狩川が急峻な流れを持つことから、以下のような伝承([[ユーカラ]])が生まれたといわれ、現代に伝えられている。
 
*かつてこの地にはニッネカムイ(またはニチエネカムイ)が住んでいた。ニッネ(悪い)+[[カムイ]]で、悪神・魔神と訳される。ニッネカムイはこの地に大きな岩を投げ込み、往来する[[アイヌ]]を溺れさせようとした。
*ヌプリカムイ(山の神)が見とがめて岩をどかすが、ニッネカムイは怒ってヌプリカムイと争った。
 
ヌプリカムイ(山の神)が見とがめて岩をどかすが、ニッネカムイは怒ってヌプリカムイと争った。*英雄[[サマイクル]]がヌプリカムイに加勢したため、ニッネカムイは逃げようとしたところ川岸の泥に足を深く沈めてしまい、動きが止まったところでサマイクルに切り殺された。
 
川岸に残る大きな甌穴群(旭川市指定天然記念物)は、そのときにニッネカムイが足を取られた跡であるという。また周辺にはニッネカムイの首サマイクルの砦とされる奇岩が見られる。
 
== アクセス ==