「スケルチ」の版間の差分

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=== 無信号時の雑音を遮断するためのスケルチ ===
;ノイズスケルチ
:[[周波数変調|FM]]通信に特有の、無信号時に[[復調器]]から出力される「ザー」という雑音を[[整流]]し、整流後の[[直流|DC]][[電圧]]を[[制御信号]]として使うことで、雑音があるとき(信号がないとき)は復調器からスピーカに至る区間のどこかを[[半導体]][[スイッチ]]や[[継電器|リレー]]で遮断したり、AF[[アンプ]]の[[電源]]を断ったりすることで雑音を遮断し、無音状態にする。但し、このままでは、信号を受信した際音声等も整流してしまい、音声等が受信される度にスピーカ出力が無音となってしまうため、整流回路の前に[[HPF]]を配置して、音声等が整流回路に入力されないようにする。HPFの[[遮断周波数]]は、一般的な無線[[送信機]]の音声の上限周波数である3kHzより十分高い周波数が選ばれる。ノイズスケルチは、[[周波数変調|FM]]の無線受信機や無線機で用いられる。単にスケルチと言った場合はノイズスケルチを指すことが多い。受信するべき信号が極めて微弱でノイズに埋もれている場合、スケルチが開かず受信できないことがある。
;キャリアスケルチ
:RSSI(受信電力をDC電圧に変換した信号)を制御信号として使い、受信電力が無いときは、復調器からスピーカに至る区間のどこかを半導体スイッチやリレーで遮断したり、AFアンプの電源を断つことで雑音を遮断し、無音状態にする。受信信号の電力とノイズ電力を区別することが出来ないため、弱い受信信号とノイズの区別が難しい。従って、ある程度強い受信信号のみ選択して受信したいときに使われる。
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=== 特定の相手方が送信する信号のみを受信するためのスケルチ ===
;トーンスケルチ
:無線送信機の変調信号に予め連続した単一周波数のAF信号(トーン)を[[重畳]]して送信し、受信側では復調器出力から[[BPF]]を使って、このトーンのみ取り出し整流し、整流後のDC電圧を制御信号として使い、トーンが受信されないときは復調器からスピーカに至る区間のどこかを半導体スイッチやリレーで遮断したり、AFアンプの電源を断つことで雑音を遮断し、無音状態にする。なお、トーンスケルチのみだと、雑音の周波数成分がたまたまトーン周波数に近くなると、スピーカから雑音が出る問題があるので、普通はノイズスケルチやキャリアスケルチと併用される。トーンスケルチは、単に雑音を聞こえなくする用途としてよりも、トーンを何種類か用意して所望のトーンを含んだ電波を発する無線局を選択受信する目的が主で、[[アマチュア無線]]の[[中継局|リピータ]]や[[簡易無線]]で用いられる。簡易無線では、マイクをマイク掛けからはずすとトーンスケルチが解除されトーンの異なる他局の通信を運用者が傍受できるようになっている。こうすることで他局の通信に妨害を与えないように運用することが出来る。また、マイクの[[プッシュ・ツー・トーク|プレストークPTT]]スイッチを離して送信から受信に切り替える際に、まずトーンの送出を断としてから、少し後に送信断とすることで、受信者に耳障りなテールノイズを聞かせなくすることが簡単に出来るが、送受信の切れ目がわかり難くなることから、あえてテールノイズを残すことが多い。たびたび「特定の相手のみに受信させることができる秘話機能」と誤解されることがあるが、上記の通り「特定の相手方のみを受信することができる」という受信側本位の機能である。別名CTCSS (Continuous Tone-Coded Squelch System)。
;逆トーンスケルチ
:上述のトーンスケルチで、トーンが受信されたときに、復調器からスピーカに至る区間のどこかを半導体スイッチやリレーで遮断したり、AFアンプの電源を断つことで雑音を遮断し、無音状態にする方式である。特に、トーンに1500~2500Hzの[[正弦波]]を用いたものを[[空線信号]]という。逆トーンスケルチは連続キャリア方式の集中基地局や[[列車無線]]で用いられる。