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安五郎 (会話 | 投稿記録)
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純鉄の融点よりも低い融点の鉄-[[炭素]]系状態図の[[共晶]]点(炭素4.25%)で鉄を取り出すため、炭素含有量が高い。銑鉄は硬いが、衝撃を与えると割れやすいので、構造用材料には使われない。融解した銑鉄を急冷すると、主成分が[[セメンタイト]]である「白銑鉄」となる。
 
鉄鉱石を還元する際に使用される装置によって、「高炉銑」と「電気炉銑(電気銑)」に大別される。前者は[[高炉]]を用いて製銑された銑鉄、後者は[[電気炉]](電炉)を用いて製銑された銑鉄である。現代日本では前者が主流で、後者の生産はほとんど行われていない。高炉による製銑の詳細は、[[高炉#高炉による銑鉄生産]]に詳しい。高炉や電気炉から取り出されたままで溶解した銑鉄のことを「溶銑」、冷やされて固まった銑鉄のことを「冷銑」と言う。冷銑は、形状によって型銑([[鋳型]]で成型された銑鉄)、粒銑([[粒]]状の銑鉄)がある。
 
銑鉄の用途は主に[[製鋼]]と[[鋳物]]である。製鋼用銑鉄は、[[転炉]]や[[平炉]]を用いて、炭素の含有量を4%前後から2%以下へ下げる処理が加えられる。このプロセス(これを「製鋼」と言う)によって[[鋼]]が生産される。また、電気炉で[[スクラップ]](屑鉄)を溶かして製鋼する際にも、成分調整用に添加される。鋳物用銑鉄(省略して「鋳物銑」とも呼ばれる)は、成分を調整されて鋳型に流し込まれ、[[鋳鉄]]となる。
 
== 生産地 ==
銑鉄自体は世界各国で生産されているものの、生産量は[[中国]]が突出している。
 
1993年には1位の中国が9000万トン弱であったが、経済成長に支えられて2000年の時点では約1億3000万トン、さらに2000年以降は生産量が急増して2005年には約3億3000万トンと、2位の日本や3位の旧ソ連諸国と比べるとその差は4倍ほどある。
 
2005年時点での生産量2位は[[日本]]で8200万トン余り、3位は旧[[ソビエト連邦|ソ連]]諸国([[独立国家共同体]])でおよそ8000万トンである<ref>財団法人JFE21世紀財団『大学教材 鉄鋼工学 プロセス編』、2007年</ref>。
 
== 銑鉄メーカー ==
=== 日本 ===
日本において銑鉄を製造する企業は、2006年度時点で8社ある。多くが最終製品の鋼材まで製造する[[高炉メーカー]](銑鋼一貫メーカー)であるが、それらから分離され製銑などの工程を専門に担当するメーカーもある。歴史的に見れば、製鋼用銑鉄専門あるいは鋳物用銑鉄専門のメーカーも存在した。
 
銑鉄メーカーの一覧は以下のとおり。2006年度の銑鉄生産量順に挙げ、製鋼用・鋳物用の区別も示した<ref>『鉄鋼年鑑』平成19年版、鉄鋼新聞社</ref>。
 
* [[JFEスチール]](製鋼用)
* [[新日本製鐵]](製鋼用・鋳物用)
* [[神戸製鋼所]](製鋼用・鋳物用)
* [[住友金属工業]](製鋼用)
* [[住金鋼鉄和歌山]](製鋼用)
* [[日新製鋼]](製鋼用)
* [[北海製鉄]](製鋼用)
* [[住友金属小倉]](製鋼用)
 
== 出典 ==
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*[[錬鉄]]
*[[混銑車]]
<!--特記するほどでもないかと*[[大躍進政策]] - 大衆動員で鉄鋼の増産を図ったが、使い物にならない銑鉄ばかりができた。-->
 
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