「ハラン (植物)」の版間の差分

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幅広い大きな[[葉]]は食物を包んだり盛ったりするのに用いられてきた。食品の装飾品を俗に'''バラン'''ともいうが、これは「人造バラン」の短縮である(後述)。
 
== 概要特徴 ==
[[中国]]南部原産であると言われてきたが中国での[[野生]]は見つかっておらず、[[鹿児島大学]]の研究者により[[九州]]南部の[[宇治群島]]、[[黒島 (鹿児島県)|黒島]]、[[諏訪之瀬島]]が本来の野生地であるという報告がなされている<ref>
{{ cite journal | author = Sako and Maruno | title=Flora of Island Kuroshima. | journal = Bulletin of Kagoshima Univ. Forest | volume = 11 | pages = 33-61 | year = 1983 | url=http://ir.kagoshima-u.ac.jp/handle/10232/945 }}</ref><ref>
{{ cite journal | author = Sako et al. | title=Flora of the Uji Ials. |journal = Bulletin of Kagoshima Univ. Forest | volume = 16 | pages = 83-108 | year = 1988 | url=http://ir.kagoshima-u.ac.jp/handle/10232/988 }}</ref>。
[[茎]]は地下を横に這う[[地下茎]]の形をとる。葉は薄いが硬くて[[光沢|つや]]があり、深緑色。楕円形で長さが50cmを越える。密な[[群落]]を作るので、地面からこの様な大柄な葉が立ち並ぶような風景となる。日陰で手入れをしないでもよく育つ。
 
[[花]]は紫色で多肉質。[[5月]]ごろ地下茎から出て地面すれすれに咲く。ちょうど花が地面にめり込んだような格好である。[[果実]]も地表に乗った姿になる。
 
=== 花粉媒介 ===
この植物の花は地上すれすれに咲くことから[[カタツムリ]]や[[ナメクジ]]により[[受粉|授粉]]されるとの仮説を提唱した[[植物学]]者がいたが、[[1995年]]に日本の研究者が[[ダンゴムシ]]がこの種の[[花粉]]を[[媒介]]することを示した<ref>
{{cite journal | author = Kato, M.| year = 1995 | title = The aspidistra and the amphipod | journal = [[ネイチャー|Nature]], London | volume = 377 | pages = 293 }}</ref>。
 
==分布==
[[中国]]南部原産であると言われてきたが中国での[[野生]]は見つかっておらず、[[鹿児島大学]]の研究者により[[九州]]南部の[[宇治群島]]、[[黒島 (鹿児島県)|黒島]]、[[諏訪之瀬島]]が本来の野生地であるという報告がなされている<ref>
{{ cite journal | author = Sako and Maruno | title=Flora of Island Kuroshima. | journal = Bulletin of Kagoshima Univ. Forest | volume = 11 | pages = 33-61 | year = 1983 | url=http://ir.kagoshima-u.ac.jp/handle/10232/945 }}</ref><ref>
{{ cite journal | author = Sako et al. | title=Flora of the Uji Ials. |journal = Bulletin of Kagoshima Univ. Forest | volume = 16 | pages = 83-108 | year = 1988 | url=http://ir.kagoshima-u.ac.jp/handle/10232/988 }}</ref>。
 
== 分類 ==
同属の植物は、これまでに85種が中国、[[インド]]東部、[[ベトナム]]、[[ラオス]]、[[台湾]]、[[日本]]で発見されており、そのうち59種は中国に分布し、さらにそのうちの54種は中国の[[固有種]]である。
 
==利用==
ハランは[[ヨーロッパ]]でも植えられ、[[ジョージ・オーウェル]]の[[自伝]]的作品『葉蘭をそよがせよ』("Keep the Aspidistra Flying"、[[1936年]])には、[[イギリス]][[中産階級]]の[[象徴]]として庭のハランが登場する。
 
折詰や[[刺身]]についてくる「緑色の[[プラスチック]][[シート]]」はハランを真似たものである。本来はハランの葉を[[包丁]]で細工したもので、現在ではハランそのものを[[料理]]の[[装飾|飾り]]に添えて使用することは少なくなったが、高級[[料亭]]、[[寿司]][[店]]で実物を使うこともある。
 
== 花粉媒介 ==
この植物の花は地上すれすれに咲くことから[[カタツムリ]]や[[ナメクジ]]により[[受粉|授粉]]されるとの仮説を提唱した[[植物学]]者がいたが、[[1995年]]に日本の研究者が[[ダンゴムシ]]がこの種の[[花粉]]を[[媒介]]することを示した<ref>
{{cite journal | author = Kato, M.| year = 1995 | title = The aspidistra and the amphipod | journal = [[ネイチャー|Nature]], London | volume = 377 | pages = 293 }}</ref>。
 
== 人造バラン ==