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'''HSAB'''概念は'''H'''ard and '''S'''oft '''A'''cids and '''B'''asesの略であり、Pearsonによって提示された。HSAB則とは酸および塩基の相性を、硬い、軟らかい、という表現を使って表したものである。すなわち、硬い酸は硬い塩基と相性がよく、軟らかい酸は軟らかい塩基と相性がよいということである。ここで用いている酸、塩基と言う言葉は[[ギルバート・ルイス|ルイス]]の定義によるものであり、HSAB則は主に[[錯体]]中の金属(ルイス酸)と[[配位子]](ルイス塩基)の相性に関して用いられる。硬い酸や硬い塩基を強酸や強塩基、軟らかい酸や塩基を弱い酸や塩基であると考えられることがあるが、これはまったくの誤りである。
 
硬い酸(HA)は、正[[電荷]]が局在する[[アルカリ金属]]イオン、[[プロトン]]、ハロゲン化水素、[[アルカリ土類金属]]イオン、電荷の高い軽い金属イオンなどがある。分極率が小さい。
硬い酸とはサイズが小さく、[[価数]]の大きなものであり、正[[電荷]]が中心によっているイメージ。
軟らかい酸とはサイズが大きく、価数が小さいもので、正電荷が全体に広がっているイメージ。
同様に硬い塩基はサイズが小さく、[[分極]]しにくいもの。
軟らかい塩基はサイズが大きく、分極しやすいもの。
 
軟らかい酸(HB)は、正電荷が全体に広がっている[[遷移金属]]イオン、トリニトロベンゼンなどがある。
硬い酸の代表としては、[[アルカリ金属]]イオン、[[アルカリ土類金属]]イオン、電荷の高い軽い金属イオンが挙げられ、軟らかい酸としては、重い[[遷移金属]]、低原子価金属イオンが挙げられる。
 
硬い塩基(HB)は、電子が局在するハロゲンイオン、水、アンモニアなど。
 
軟らかい塩基(SB)は、二重結合、芳香環のπ電子系など。[[分極率]]が大きい。
 
HAとHB、SAとSBは互いに相互作用([[Pimentel]]の定義による[[水素結合]])しやすい。前者はクーロン力、後者は分散力や軌道相互作用の寄与が大きい。
 
定量化する試みとしては[[ドラゴ-ウェイランドの式]]がある。