「ピアノ協奏曲第1番 (ブラームス)」の版間の差分

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*:[[ソナタ形式|協奏的ソナタ形式]]。Allegroなどの速度標語を使わず、Maestoso(堂々と、威厳をもって)とのみ書かれており、極めて珍しい。第1主題は[[ティンパニ]]の[[ロール]]とニ短調のオーケストラの和音に乗って[[変ロ長調]]で始まる。経過句になってようやくニ短調となるが、このような出だしの調性をぼかす手法はブラームスの作品にたびたび登場する。[[変ロ短調]]の副主題を経て、[[夜想曲]]風にピアノ独奏が始まる。第2主題は[[ヘ長調]]でピアノ独奏が提示する。展開部では主に第1主題が取り上げられ、定石とは異なり[[イ短調]]で第1主題が再現され、主調に転ずる。副主題、第2主題再現を経て副主題の音価を短くした激しいコーダで締めくくられる。[[カデンツァ]]は置かれていない。
*'''第2楽章 Adagio''' [[ニ長調]] 4分の6拍子
*:3[[三部形式]]。[[弦楽器]]と[[ファゴット]]による、下降音形の主部に対して、中間部はピアノによる強奏がコントラストをなす。曲の最後に短いカデンツァがある。なお、[[ラテン語]]で祈祷文の一節『[[ミサ曲#Benedictus|ベネディクトゥス]]』が引用されており、これはシューマンの死後の平安を祈ったものとも、夫を喪ったクララ・シューマンの悲しみを慰めようとしたものとも伝えられる。
*:ブラームスはクララへの手紙の中で、この楽章を新たに書き起こしたことについて「あなたの穏やかな肖像画を描きたいと思って書いた」と述べている。
*'''第3楽章 Rondo: Allegro non troppo''' ニ短調 2分の2拍子