「ビブリオ・バルニフィカス」の版間の差分

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疫学節、感染症の記述を整理
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| 学名 = ''Vibrio vulnificus''<br />{{AU|(Reichelt et al. 1979) Farmer 1980}}
}}
'''ビブリオ・バルニフィカス''' (''Vibrio vulnificus : V.v''、"ヴルニフィクス"とも) はグラム陰性小桿菌の[[腸炎ビブリオ]]に類似した性質を持つコンマ状[[ビブリオ属|ビブリオ]]。DNA解析''Farmar'' らにより18菌型って[[1979]]年分類同定されている<ref> [http://ci.nii.ac.jp/naid/110006391526 Vibrio vulnificus感染症[1980年]]関する疫学的検討[[ラテン語]麻布大学雑誌]で傷の意の '''vulnus''' Vol.13/14(20060000)から'''Vibrio vulnificus''' pp. 241-247 </ref>と命名された。日本では一般に「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌の一つ
 
== 疫学 ==
[[ヒト]]に経口または創傷感染して感染性[[胃腸炎]]や重篤な[[敗血症]]や[[中耳炎]]の原因になる。[[肝疾患]]や[[糖尿病]]などの基礎疾患がある場合や[[免疫低下]]状態にある者が、夏期に海産物を生食することにより発症すると考えられている。症状は敗血症や[[壊死性筋膜炎]]など、全身性の劇症型の致死性疾患の原因になる事がある。一般に「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌の一つ。腸炎ビブリオ菌と同じように淡水中では増殖しない。
DNA解析により18菌型に分類されている<ref> [http://ci.nii.ac.jp/naid/110006391526 Vibrio vulnificus感染症に関する疫学的検討]麻布大学雑誌 Vol.13/14(20060000) pp. 241-247 </ref>。代謝産生物([[インドール]])などからは3型に分けられる<ref name="MM0902_05">[http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/2009.html ビブリオ・バルニフィカス] モダンメディア 2009年2月号(第55巻2号)</ref>。
 
生息環境は腸炎ビブリオと似ており、沿岸近くの海水や海泥、そこに生息する魚介類に広く分布する。淡水中では増殖しないが、腸炎ビブリオが適さない低塩分(1.0~2.0 ‰)の海域でも広く生息する。従って塩分濃度の低い、河口域や河川水が流入し外海との海水の入れ替えが行われにくい奥深い湾や干拓地の調整池等の塩分濃度の低い汽水域に多く分布する。海水温が20℃を上回る日が継続すると急激に菌数は増加する。
 
宮城県保健環境センターの調査によれば<ref>[http://www.pref.miyagi.jp/hokans/index.html 宮城県保健環境センター]</ref>、'' V.v ''は普通に吃水域の海水中に生息している。海水温が20℃を超える時期には生鮮貝類、特に[[アサリ]]は50%程度が汚染されているが、低温で保存すると1日で菌数は急激に減少する。通常アサリは加熱して食用とするため問題はない。また、低温(15℃以下)での流通がされていれば汚染は問題にならないとしている。
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{{Medical}}
== 感染症 ==
[[ヒト]]に経口または創傷感染して感染性[[胃腸炎]]や重篤な[[敗血症]]や[[中耳炎]]の原因になる。[[肝疾患]]や[[糖尿病]]などの基礎疾患がある場合や[[免疫低下]]状態にある者が、夏期に海産物を生食することにより発症すると考えられている。症状は敗血症や[[壊死性筋膜炎]]など、全身性の劇症型の致死性疾患の原因になる事がある。一般1970年「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌ヒトへ一つ。腸炎ビブリオ菌と同じよう感染例が ''Roland'' ら淡水中より報告された、日本では増殖しな[[1978年]]に症例が報告され、[[有明海]]や[[八代海]]沿岸での発症報告が多い。
 
肝臓疾患患者や喘息などの治療で使うステロイド薬剤を使用している人、鉄欠乏性貧血などで鉄剤を内服している人、アルコールを大量に飲む人も重症化の危険度が高い。恐ろしい病気であるが、汚染食品を食べても健康な人は大きな問題はない場合もある。但し、軽い下痢や腹痛の場合はある。重症化すると、全身に急激に進行する壊死性筋膜炎などを生じ、壊死組織の除去([[デブリードマン]])や患肢切断術を行わないと数時間から48時間で死に至ることもある。しかしながら、病状の進行が急速で重篤な状態に陥ることもあり、診断治療に難渋することもある。
 
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=== 症状 ===
*潜伏期間は、数時間から2日間(多くは24時間以内)。発熱、悪寒と皮膚(主に下肢)に激しい痛み。皮疹、腫れ、発赤、血圧の低下などの症状を発症。症状の変化は急速に進行する。
 
=== 治療 ===
* [[テトラサイクリン]]、第三世代セファロスポリン系抗生剤の投与。
* 対症療法。
* 救命のために早期に広範囲の壊死組織切除。
 
== 脚注 ==
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* [http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/060531-1.html ビブリオ・バルニフィカスに関するQ&A]厚生労働省
* [http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/vulnificus.html ビブリオ・バルニフィカス感染症]愛知県衛生研究所衛生研究所微生物部
* [http://kasamatsu-hifuka.saloon.jp/vibrio3.html Vibrio vulnificus感染症] 皮膚病診療 ,14(2) ,135-138 ,1992 (笠松正憲、春原晶代、辻卓夫 、亀島信利、石川清)
* [http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/2009.html ビブリオ・バルニフィカス] モダンメディア 2009年2月号(第55巻2号)
 
*[http://www.pref.miyagi.jp/hokans/index.html 宮城県保健環境センター]