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{{改名提案|元素合成|t=ノート:宇宙の元素合成|date=2010年5月}}
{{出典の明記}}
'''宇宙の元素合成'''(うちゅうのげんそごうせい、nucleosynthesis)とは、[[核子]]([[陽子]]と[[中性子]])から新たなる[[原子核]]が合成されるプロセスである。
 
'''原子核合成'''、'''[[核種]]合成'''とも。以下では誤解の少ない記述のために、原子核合成という表記を用いる。
 
[[ビッグバン]]理論によれば、核子はビッグバン後宇宙の温度が約200MeV(約2兆K)まで冷えたところで、[[クォークグルーオンプラズマ]]から生成された。数分後、陽子と中性子からはじまり、リチウム7とベリリウム7までの原子核が生成されるが、リチウム7やベリリウム7の原子核の数は比較的少ない。この最初の原子核合成は、'''[[ビッグバン原子核合成]]'''([[:en:Big Bang nucleosynthesis]])と呼ばれる。その後生じる(炭素や酸素といった元素の)原子核合成は、恒星での[[核融合]][[核分裂]]により生じる。
 
==ビッグバン原子核合成==
{{see|ビッグバン原子核合成}}
宇宙の初期において存在した原子は中性[[水素]](軽水素)(<sup>1</sup>H)の原子核-単体の[[陽子]]-と単体の[[中性子]]だけである。宇宙が十分に冷えてくると陽子と中性子が衝突して[[重水素]](<sup>2</sup>H)が作られるようになる。重水素に中性子が捕獲されると[[三重水素]](<sup>3</sup>H)、もしくは三重水素が[[ベータ崩壊]]<ref>中性子が崩壊して陽子が生成する現象</ref>して[[ヘリウム]]3(<sup>3</sup>He)となる。さらに中性子を捕獲して[[ヘリウム4]](<sup>4</sup>He)までは簡単に作られる。この中で中性水素が最も安定であり、またヘリウム4も安定であるので、この2つの核種が蓄積する。質量数5の安定な核種は存在しないので宇宙の初期における原子核合成はこれ以上進まない。ごく少数この先の[[リチウム]]7(<sup>7</sup>Li)や[[ベリリウム]]7(<sup>7</sup>Be)が作られるが、質量数8の安定な核種は存在しないので、これ以上進むことはまずない。<ref>[http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/myresearch/ap06_bbn+cmb.pdf ビッグバン元素合成とマイクロ波背景輻射]</ref>
 
これらの原子核は、ビッグバンから約1億年後、互いの重力により塊を形成し、第1世代の星を構成する原子核となる。また中心部分で恒星での原子核合成がはじまると、星として輝き始める。
 
== 恒星での原子核合成 ==
{{see|恒星内元素合成}}
恒星の中の核融合反応で、ヘリウム4から鉄56までの原子核が作られる。
 
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== 宇宙線による核破砕 ==
{{see|宇宙線による核破砕}}
[[宇宙線による核破砕]]([[:en:Cosmic ray spallation]])([[宇宙線]]による[[核破砕反応]])は、最も軽い核種の一部を作る。[[ヘリウム]]3と[[リチウム]]、[[ベリリウム]]、[[ホウ素]]は、核破砕により生成したと考えられている。核破砕は宇宙線(多くは高速の陽子)の[[星間物質]]への衝突により生じる。宇宙線の衝突により、[[炭素]]、[[窒素]]、[[酸素]]は破砕される。
 
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* [[ビッグバン]]
* [[宇宙の年表]]
 
{{核反応}}
 
{{DEFAULTSORT:うちゆうのけんそこうせい}}