「個体群」の版間の差分

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==個体群の特徴==
あらゆる生物種は、それを構成する個々の個体が、少なくとも生涯の間にある程度以上同種他個体と接触することなしには、長期にわたって生存し得ない。生殖行動をして、繁殖を行わなければ[[絶滅]]するからである。従って、絶滅が確定した種でなければ、必ず同種個体との接触をもてる状況にある。互いに接触可能な範囲の中のその種の個体は、'''個体群'''を構成している。
 
個体群という言葉から、集団をなしていなければならないような印象を受けるが、そのようなことはない。集団を作るかどうかは、その個体郡内の個体間の関係の問題であり、そのような意味では、単独で活動するのも、そのような個体間の関係を持つ個体群の特徴と言える。逆に言えば、[[群れ]]を作るものでは、往々にして子供を群れから追い出したりする習性があるから、群れをとりあげて、これを個体群というのは間違いである場合もある。
 
生物をそれが生活している場で考えるのが生態学である。そういう意味では、生態学的に言えば、生物は個体群の形で存在しているとも言える。あるいは種の現実的な単位は個体群であるという言い方もある。
 
個体群を構成する個体は、同じ[[種]]もしくは[[亜種]]に所属する。
 
個体群の大きさは、最も大きく取れば、その種の分布域と考えることもできる。実際には多くの生物では、個体の移動はその分布域すべてを覆い尽くすものではなく、ある程度の範囲でまとまっていると考える方が自然である(そうでなければ地方変異などが生じるわけがないので)。したがって、そのような単位に分けて考えるのが普通である。つまり、'''種個体群'''は、いくつかの'''地域個体群'''に分かれている。個体群を取り上げて言う場合には、このことに注意すべきである。研究対象によっては、明らかにごく狭い範囲を区切ってその対象とする場合もある(ある[[キャベツ]]畑の[[モンシロチョウ]]の個体群とか)が、その場合は、より大きな個体群の中から採りだした標本と見ているものである。
個体群には、個体数、個体群密度、令構成、出生率、死亡率、その他の属性を持っている。これらを研究するのが'''[[個体群生態学]]'''である。
 
個体群には、個体数、個体群密度、令構成、出生率、死亡率、その他の属性を持っている。これらを研究するのが'''[[個体群生態学]]'''である。個体群は具体的な種であるから、種の性質としての習性や性質を研究するものでもあり得る。その分野は、かつては個生態学とか種生態学などと言われたこともあるが、現在ではこのような言葉はあまり使わない。ただ、個体群生態学と言えば、まず個体数の問題を中心としたもの、という印象はある。
[[環境]]保護・種の保全問題をとらえる場合にも、重要な概念である。種の絶滅は、まず地域の個体群の消滅から始まっていくからである。
 
[[環境]]保護・種の保全問題をとらえる場合にも、重要な概念である。種の絶滅は、まず地域の個体群の消滅から始まっていくからである。
なお、部分集合の範囲を決める基準は、研究によって便宜的に変わる。
 
==関連項目==