「ウォータージェット推進」の版間の差分

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[[Image:Ship's Waterjet system (cut view) NT.PNG|thumb|200px|right|'''ウォータージェットの仕組み'''<br/>1.前進時 2.後進時]]
 
一般的な[[スクリュープロペラ]]よりも設計、製造が容易は困難でありな、スクリュー船では到達しがたい40 - 50[[ノット]](約74 - 93[[キロメートル毎時|km/h]])での高速航行を可能にする推進方式である。また船底部に突出部分が無く、浅水面での航行が可能であり、ノズルの噴射方向を変える事で船の向きを変えられるため[[舵]]の必要が無い。加えてノズルの[[逆噴射]]機構を用いた急制動が可能である。またスクリュープロペラでは不可能な超微速航行が可能である。
 
このような利点を持つ反面、低速航行時の方向安定性、[[操縦]]性に難があること、[[エネルギー効率]]はスクリュープロペラに劣り、低速域での[[燃費]]が悪いなどの欠点がある。イメージとして「ノズルから勢いよく水流を吐き出して前進するボート」というものがあるが、ノズル流速と船体速度との差は大きければ大きいほど効率が悪くなる。効率という観点からすると、同じ加速であれば「少ない水を勢いよく噴射」するより「船体速度よりわずかに速い水流を大量に発生させる」ほうがはるかに効率が良い(一般的なスクリュープロペラはこの原理に則り、大きい羽根をゆっくり回すように作られる)。ゆえに静止状態から効率良く目標速度に到達するためには、機関出力をなめらかに上昇させ、ゆっくり加速する必要がある。
 
ちなみに、25ノット程度の速度域ではスクリュープロペラの効率が65%に達するのに対し、ウォータージェットは45%程度にとどまる。このためスペースに余裕のある船では低速操船用ディーゼルエンジンとプロペラを別に備えるものも多い。