「領域 (国家)」の版間の差分

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'''領域'''(りょういき)は、広義には社会・経済地理学のタームで、絶対[[空間]]の無限の広がりを[[有界化]]してできた、空間の一片のことを指す。この領域は経済・社会の主体の容器となり、内部ではその主体相互間に均質化の作用が及び、領域ごとに異質化された経済・社会空間が出来上がる。
 
狭義には、[[国家]]の[[主権]](統治権)が及ぶ空間的領域のことを指し、'''領土'''(りょうど)、その周りの水域('''領水'''(りょうすい)、海の場合は'''[[領海]]'''(りょうかい))及びそれらの上空('''[[領空]]'''(りょうくう))から構成される。
 
== 領土 ==
'''領陸'''(りょうりく)。狭義の領土である。[[日本]]においてはこの意味における領土に関して定めた国内法が存在せず、主として[[条約]]、特に[[日本国との平和条約]](通称:サンフランシスコ講和条約)が[[法 (法学)|法規範]]になると考えられる。
 
== 領海 ==
{{Main|領海}}
'''領海'''とは狭義の領土、すなわち領陸の沿岸に沿った一定の幅の帯状の海域で、当該国家の主権が及ぶ範囲のものをいう。古くは、大砲の着弾距離を根拠として低潮線より3[[海里]]を領海の幅とすることが国際慣習とされていたが、かつては、12[[海里]]や200海里を主張する国家も存在していた。
 
'''領海'''とは狭義の領土、すなわち領陸の沿岸に沿った一定の幅の帯状の海域で、当該国家の主権が及ぶ範囲のものをいう。古くは、大砲の着弾距離を根拠として低潮線より3海里を領海の幅とすることが国際慣習とされていたが、かつては、12[[海里]]や200海里を主張する国家も存在していた。
 
現在は、[[1982年]]に採択され[[1994年]]に発効した「[[海洋法に関する国際連合条約]]」(通称:国連海洋法条約)により、それぞれの国が12海里を超えない範囲で自国の領海の幅を決める権利を有するとされている。日本においては「[[領海及び接続水域に関する法律]]」(昭和52年法律第30号)によって原則として基線から12海里(約22.2km)の海域と定めており、一部の[[国際海峡#特定海域|特定海域]]については3海里(約5.6km)となっている。
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== 領空 ==
{{Main|領空}}
'''領空'''とは狭義の領土と領海の上方の空間をいう。古くは上限は無制約とされていたが、現在は[[1967年]]に発効した「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」(通称:[[宇宙条約]])で[[宇宙空間]][[領有]]が禁止されているため、宇宙空間に属する部分は領空に含まれないとされている。しかし、領空と宇宙空間との境界を明確に画定することには成功していない。
 
== 文献情報 ==
'''領空'''とは狭義の領土と領海の上方の空間をいう。古くは上限は無制約とされていたが、現在は[[1967年]]に発効した「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」(通称:[[宇宙条約]])で宇宙空間の領有が禁止されているため、宇宙空間に属する部分は領空に含まれないとされている。しかし、領空と宇宙空間との境界を明確に画定することには成功していない。
*「東アジア共同体は可能か?」金文京(京都大学附属研究所センターシンポジウム2006)[http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/66370/1/1_51.pdf]※東アジアの近隣外交史と領土規定の特殊性について
 
==文献情報==
*「東アジア共同体は可能か?」金文京(京都大学附属研究所・センターシンポジウム2006)[http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/66370/1/1_51.pdf]※東アジアの近隣外交史と領土規定の特殊性について
 
== 関連項目 ==
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* [[軍事基地]]
* [[南極条約]]
* [[領土問題]]
 
== 外部リンク ==
* [http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html 日本の領海]([[海上保安庁]][[海洋情報部]])
* [http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/tokutei/tokutei.html 特定海域](海上保安庁海洋情報部)
 
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