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'''接触改質'''(せっしょくかいしつ、catalytic reforming)とは、石油精製工業において[[原油]]を[[蒸留]]することで得られた[[ガソリン]]留分の[[オクタン価]]を[[触媒]]を使用して反応させることによりって高めるプロセスのこと。'''リホーミング'''、'''リフォーミング'''(Reforming)とも呼ばれている。
'''リホーミング'''、'''リフォーミング'''(Reforming)とも呼ばれている。
 
原油を蒸留することで得られたガソリンに相当する沸点の重質[[ナフサ]]留分(直留ガソリンという)はオクタン価の低い直鎖の炭化水素を多く含ん[[パラフィン]]、[[シクロアルカン]]が主成分でいるためあり、オクタン価が40-50程度とガソリン燃料としてはあまり優れていない。接触改質触媒の[[触媒毒]]となるナフサ中の[[硫黄]]、[[窒素]]、金属等の不純物を[[水素化脱硫]]によって除去した後に接触改質装置に供給する。
この直鎖の炭化水素をよりオクタン価の高い分岐のある炭化水素に[[異性化]]させるプロセスが接触改質である。
 
接触改質は500℃程度で水素ガスを供給して行われ、触媒としては、固体酸の一種である焼成[[ゼオライト]]を担体とした[[プラチナ|白金]]や[[レニウム]]の貴金属触媒に[[塩素]]を添加したものが主流である。接触改質反応は[[水素]]存在下において500℃程度で行われる。反応機構は以下のように使用さ考えられている。
接触改質は以下のような機構で進行していると考えられている。
#貴金属によって直鎖アルカンが脱水素され[[アルケン]]に変化する。
#生成したアルケンに触媒からプロトンが供与されることでカルボカチオンが生成する。
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#生成した分岐アルケンが貴金属によって再び水素化され分岐アルカンとなる。
 
この反応によって、[[芳香族]]炭化水素を主成分とする改質ガソリン成分、水素、分解生成物であるC<SUB>4</SUB>以下の炭化水素が生成する。また触媒上に[[炭素]]質のコークが析出して触媒失活の原因となる。脱水素反応である改質反応は水素[[分圧]]が低いほうが[[平衡]]上有利であるが、過剰なコーク析出を避けるために原料に水素を加える。
このようにして得られた混合物からガソリンに相当する留分を蒸留で取り出したものを改質ガソリンという。
改質ガソリンはオクタン価が100程度まで向上している。
 
反応生成物は[[熱交換器]]で冷却してから気液分離される。水素を主成分とする気体は、水素化脱硫などの他設備に供給されるとともに、一部は[[圧縮機|コンプレッサー]]を経て[[反応器]]にリサイクルする。液体は[[蒸留]]によってC<SUB>4</SUB>以下の留分と改質ガソリンに分離される。改質ガソリンのオクタン価は100程度に達する。また改質ガソリンは[[ベンゼン]]、[[トルエン]]、[[キシレン]]（BTXと総称される）などの芳香族炭化水素に富んでいるので石油化学原料としても重要である。
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コーク析出によって失活した触媒は、コークの燃焼除去、塩素化、[[還元]]によって再び改質反応に使用可能となる。これを触媒再生という。旧来は、反応器を一旦停止して触媒再生を行う方式が採用されていたが、最近の新設プラントでは運転中に触媒を連続的に抜き出して専用の触媒再生設備で再生して反応器に戻す'''連続再生式'''設備（Continuous Catalyst Regeneration、'''CCR'''）が主流となっている。連続再生式設備では、運転を切り替えることなく触媒が再生できるので、コークの析出しやすい低水素分圧条件での運転が可能となり、水素化分解によるC<SUB>4</SUB>以下留分の生成を抑えて改質ガソリンと水素の収率を上げることができるのがメリットである。
 
[[Category:化学|せつしよくかいしつ]]
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