「名鉄6000系電車」の版間の差分

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1987年[[12月]]から1992年4月にかけて製造された、片側3扉・2両組成の車両である。6500系の2両組成版であるが、2次車が製造された1988年の広報冊子に「6000形を新造」と紹介されていたように6000系11次車以降(もしくは6000系6800番台)としても扱われる<ref>設計時の仮称は「(界磁)添加励磁(制御の)6000(系)」であった。</ref>。車体は同じ時期に製造された6500系と同様である。
 
6801F-6808Fの初期グループ16両は、6500系の6517編成までと同じくファンには「鉄仮面」と呼ばれるタイプである(上記写真の6047号に近いが、運転室の後ろに小窓を備えているほか、側面方向幕も有する。)。1989年の6809Fからは正面ガラスが大きく、側面には連続窓を採用、6518F以降と共通する車体で、一部では「金魚鉢」や「ゴーグル」とも呼ばれる。客席のうち、クロスシートは上下に拡大されてヘッドレストが付加され、取り付けピッチも広がった、6000系列の集大成とも言える仕様である。この中期グループは登場がちょうど旧型車の一斉置き換え時期に当たり、同型車体の6500系20両よりも多い46両が投入された。しかし、1991年の6832Fからは一転して上の写真で紹介した6500系6523F以降の車両と同様に最初から全席ロングシート、またドア付近のスペースを広く取った仕様となっている<ref>このグループは6800系が16両、同仕様の6500系8両を合わせて計24両在籍し、1000系1011 - 1016Fの台車交換で発生した流用台車を履いており、ジョイント音や乗り心地が異なる。</ref>。扉間の座席を例に取ると、長さ2800mmで公称7人掛け、実質6人掛けである<ref>公称定員では1人当たり占有幅が400mm(実際は仕切り板1箇所につき幅50mmを含むため、扉間の座席は座布団の有効長さが2700mmとなっている)となる設計で、3500系にも受け継がれた。車端は公称5または6人掛け、実質1950mmで4人掛けまたは2350mmで5人掛けである。また6832F - 6835Fの4本に限り乗務員室次位の座席は1200mm(実質1150mm)で公称3人掛け、実質2人掛けとなっている。いずれの場合もかつての『[[鉄道車両の座席|普通鉄道構造規則]]』に照らすと、公称座席数では1人当たり占有幅400mm、実質座席数は全体定員の3分の1に満たない。しかし、これらの規定が1989年に撤廃された後の設計のため、違法ではない。</ref>。この最終グループ16両には、紫のストライプが入った座席、模様の入った床敷物、妻面も併せてクリーム色の化粧板など、前年に製造された6750系で採用されたインテリアが取り入れられたほか、いくつかの変更が行われた。例えば、6809F以降の車両は上記写真の6518F以降と類似の車体であるが、6831Fまでは側面扉窓の天地方向の大きさがやや小さく、扉の客室側は化粧板仕上げであり、1991年製以降扉窓を上方へ拡大し、内側は塗装処理となっている。なお、本系列のロングシート化改造車は6804Fの1本のみである。ワンマン運転仕様のされている車両がないので、車掌が乗務する支線内の折り返し列車に(ごくまれに名古屋本線・犬山線・常滑線等の普通列車にも)2両単独で用いられるほか、6000系や6500系などを用いる快速急行・急行・準急で6両(一部8両)運転を行う場合にも利用される。39編成78両が在籍している。最近では予備車をトランパス未対応区間でのワンマン対応車が運用を離れた時の代走に使用している。
 
制御方式は6000系の抵抗制御から5300系と同様の[[界磁添加励磁制御]]に変更された。回生ブレーキも備えている。主電動機は6000系と同性能の150kW(750V・224A)で、6809編成以降は内扇型として高回転時の騒音を低減した。6000系と同じ1M方式(MTユニット)だが、歯車比を6500系と同じ5.60に変更したため、最高速度は110km/hとなっている(1996年より実施)。定格速度が6000番台車両の中では最も高い55km/h(90%界磁)のため、最高速度以外の走行特性は、限流値や弱め界磁率を調節して6000系に合わせている。台車は6500系と同様、FS 521・098系に軸受が異なる2種類と、1000系から流用したFS 539・039系の3種が製造年次に応じて使用されている。