「日局クレオソート」の版間の差分

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== 概説 ==
[[ブナ]]などを[[乾留]]させる(通常では[[木炭]]を作る)際に[[水蒸気]]とともに留出する油層(木タール、水を主成分とする上澄み液がいわゆる[[木酢液]])を蒸留して得られる、淡黄色透明で[[燻製]]のような臭いのある油状の液体で、代表的には[[止瀉薬]]である[[正露丸]]の主薬として用いられている
 
古くからクレオソートとしての名称で知られ、[[日本薬局方]]の初版から収載されていたが、第十五改正<ref>[http://jpdb.nihs.go.jp/jp15/YAKKYOKUHOU15.pdf 平成18年3月31日付け 厚生労働省告示第285号]</ref>において、製法・成分の異なる石炭由来の[[クレオソート油]]<ref>[[多環芳香族炭化水素]]である[[ベンツピレン]]などの[[発癌性]]物質を含有する。</ref>と区別されたため、「日局」をつけて呼ばれる。第十五改正第一追補<ref>平成19年9月28日付け 厚生労働省告示第316号</ref>より、'''木クレオソート'''を正式名称とし、クレオソートは別名となった。
 
このように名称が分けられた原因として、過去のクレオソートに関する論争がある。
化学混合物としてのクレオソート自体と主成分中最多の化合物であるグアヤコールは、医薬品服用量において[[劇薬]]指定されており、消毒薬として広く用いられたフェノール、クレゾールとグアヤコールは皮膚に障害を与える毒性が知られている。その他の[[キシレノール]]などのフェノール類成分も人体に対して強い[[毒|毒性]]・[[有害物質|有害性]]を有するものが多い。
雑誌[[週刊金曜日]]連載の「商品の安全性」に関するコラムをまとめたブックレット「[[買ってはいけない]]」の中で、
木クレオソートとクレオソート油を混同したまま「枕木や電柱に使われる防腐剤を医薬品に用いるのか」と工業用クレオソート油のもつ毒性で「正露丸」批判を行い、しかもこの本はベストセラーとなった。
これに対して名指しで批判された代表的な正露丸メーカーである[[大幸薬品]]は木クレオソートと工業用クレオソートが根本的に違うことを示し、訂正と出版された本の回収を求める事態となった。
 
この問題について週刊金曜日上において、以下のような訂正記事が発表され
[[止瀉薬]]である[[正露丸]]の主薬として用いられている。
 
::正露丸を「漢方薬」としましたが、漢方薬の成分である生薬は使われているものの、厳密には「漢方薬」ではありません。
::漢方薬を「生薬」に変え、構成や見出しなども訂正させていただきます。
::正露丸に使われているクレオソートはコールタールを原料とする日本工業規格クレオソート油ではなく、
::プナの木などから得られる乾留物を精製・蒸留して作る日本薬局方クレオソートでした。
::おわびして訂正いたします。(「回答企業にお応えします」より)
 
たものの、[[三好基晴]]などは、なおも「木クレオソートだから安全とも言えません」と全面的な発言撤回はせず、
その後に発行された第16刷でも「植物性だからといって安全とは言えない。クレオソートは劇薬である。」などと書かれているのが確認されている。
 
木クレオソートと判明した後も、それがなお危険だとする派の主張の主点は以下のとおりである。
::化学混合物としてのクレオソート自体と主成分中最多の化合物である[[グアヤコール]]は、医薬品服用量において[[劇薬]]指定されている
::消毒薬として広く用いられた[[フェノール]]、[[クレゾール]]とグアヤコールは皮膚に障害を与える毒性が知られている。
::その他の[[キシレノール]]などのフェノール類成分も人体に対して強い[[毒|毒性]]・[[有害物質|有害性]]を有するものが多い。
 
これらの主張に対して大幸薬品ではウェブサイトにおいて、日局木クレオソートが下痢症状に対して実際に作用するメカニズムや、安全性、他に有名な止瀉薬の成分である[[ロペラミド]]と比較した場合の優位性などを細かく掲載している<ref>[http://www.seirogan.co.jp/medical/creosote/index.html 学術情報 木クレオソートの話]</ref>。
 
== 主成分 ==