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[[Fileファイル:Faroe stamp 430 The First Human Beings.jpg|thumb|[[フェロー諸島]]で[[2003年]]に発行された[[郵便切手]]に描かれたアスクとエムブラ。[[{{仮リンク|アンカー・エリ・ペーターセン]]([[:|en:|Anker Eli Petersen|en]])}}による]]
'''アスク'''と'''エムブラ'''は、[[北欧神話]]において[[アース神族|神々]]に創造された最初の人間の男女である。
男性がアスク({{lang-non|Askr}}、{{lang-en|Ask}})、女性がエムブラ([[古ノルド語]]・[[英語]]:{{lang|non|Embla}})である。
 
『[[スノッリのエッダ]]』第一部『[[ギュルヴィたぶらかし]]』第231章においては、[[オーディン]]とその兄弟[[ヴィリとヴェー|ヴィリ]]と[[ヴィリとヴェー|ヴェー]]が、この最初の男女の創造者であった<ref name="kodai231">『エッダ 古代北欧歌謡集』231頁。</ref>。
3人は浜辺で2本の流木を拾うと、それらに人間の形を与えた。
オーディンはそれに息吹を与えた。また、ヴィリは[[感情]]と[[知性]]を与え、ヴェーは[[言葉]]と[[感覚]]を与えた。
 
『[[古エッダ]]』の『[[巫女の予言]]』では、経緯が若干異なる。オーディンの他に創造に関わったのは[[ヘーニル]]と[[ローズル]]であった。へーニルは2人に心を与え、ローズルは生命の暖かさと良い姿を与えた、と書かれている<ref>『エッダ 古代北欧歌謡集』10頁。</ref>。
 
[[トネリコ]]から造られた男性アスクと、[[ニレ]]から造られた女性エムブラ。この2人の人間がすべての人類の先祖となった。2人は[[ミズガルズ]]に住んだ<ref name="kodai231" />。
 
[[シーグルズル・ノルダル]]は、「アスクとエムブラ」は、[[旧約聖書]]の『[[創世記]]』で語られる最初の男女「[[アダム]](''Adam'')と[[イブ]](''Eva'')」と、名前の頭文字が同じであるが、これはまったくの偶然であろうと考えている。アスク(''Askr'')は木の名、トネリコのことである。エムブラ(''Embla'')は、[[ゲルマン祖語]]形が''ambilon''であるならば、[[ゲルマン人]]にはつた植物を意味する語であっただろう。昔、火をおこす際には、堅い木で作った棒を柔らかい木の切り株に錐もみしていた。このことから、命も同様に2種の木の交接から生まれるという考えが生じた。トネリコは固く、またつた植物は柔らかくて発火に適しているとされていた。2人の名にはこうした古い民間信仰が潜んでいるとノルダルは考えている<ref>『巫女の予言 エッダ詩校訂本』157-158頁。</ref>。
 
== 脚注 ==