「ティトゥス・リウィウス」の版間の差分

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リウィウスの文体は、[[ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]や[[マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロ]]といった秀逸な書き手とは一線を画したものであり、詩的で古典的な文章であった。リウィウスはローマによる[[イタリア半島|イタリア]]および[[地中海世界]]の征服についてローマ人の[[徳]]を強調するため、ローマ人に反抗する人々の視点から著述を行った。また詩的表現のため事実とフィクションの区別をそれほど行わなかった。このほか、過去の作家の記述も引用しているが、これらは過去の道徳的教訓として当時のローマ社会に資することを望んでのものであった。
 
リウィウスの業績は、142巻にもわたる膨大なものであったが、そのうち1巻から10巻までと21巻から45巻までの計35巻については現存している。1772年には、[[ヴァチカン図書館]]で上書きされた写本([[パリンプセスト]])の下からおよそ1000語を含んだ第91巻が発見されている。また1900年ごろからエジプトでは、分量ははるかに少ないものの未知の断片を含むパピルス片が発見されている。最近のものでは1980年代に第11巻の40語ほどの断片が発掘されている。
 
リウィウスの業績は古代の時点で概要に要約にされており、1巻に要約されたものが現存している。またこの概要をさらに単なるリストにまで要約した ''Periochae'' と呼ばれるものも現存している。エジプトの[[オクシリンコス・パピルス]]からも、37巻から40巻までと48巻から55巻までの要約が発見されている。こうした要約から欠落している箇所についてある程度復元することができる。