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{{社会学}}
'''実証主義'''(じっしょうしゅぎ、{{lang-
「positive」は、もともと「(神によって)置かれた」を意味するラテン語「positivius」に由来する。この原義から転じて、実証主義における「positive」とは、経験的に裏付けられたものを意味する。
直接的経験で与えられないものごとを、ことごとく頭ごなしに否定する傾向があるので、"positivism"ポジティヴィズムとはnegativismネガティヴィズムである、と指摘されることもある。{{誰2}}
== 意味と背景 ==
実証主義は[[神学]]的・[[形而上学]]的なものに依拠せず、経験的事実にのみ認識の根拠を認める学問上の立場であり、19世紀[[フランス]]の思想家・社会学者[[オーギュスト・コント]]によって人類の発展における神学的段階と形而上学的段階の最後に来る実証主義的段階として唱えられた。
[[哲学]]の分野では[[理想主義]]、[[構成主義]]、[[方法主義]]などと対立した意味で使われることが多い。20世紀初頭に、[[哲学]]も[[自然科学]]同様の実証性を備えるべきであるとする主張が[[ウィーン学団]]によってなされ、彼らは自らの主張を'''[[論理実証主義]]'''(Logical positivism、論理的経験主義、新実証主義)と称した。論理実証主義者たちは分析的な命題は論理によって、総合的な命題は経験によって検証されると考え、どちらによっても検証できない胡乱な概念を好き放題用いてきた[[形而上学]]を批判し、形而上学の命題は検証不可能であるがゆえにナンセンスであると断じた。それに従えば、例えば「無が無化する」などというのは分析的に真偽がはっきりしないし、経験的にも真偽を判断できず、全くのナンセンスである。また、彼らは同じ考えによって真っ当な科学と[[疑似科学]]との線引き([[線引き問題]])をしようともした。
=== 科学哲学における実証主義 ===
[[歴史学]]では、19世紀ドイツの歴史家[[レオポルト・フォン・ランケ|ランケ]]によって確立された。厳密な史料批判を行い、客観的な事実を確定し、事実のみに基づいた歴史記述を行うものである。歴史を特定の立場に都合よく利用する思想を排し、科学的・客観的に歴史を把握しようという立場から主張される。一方、実証主義を標榜する研究者が、しばしば瑣末な史料批判にこだわり、大局的な歴史認識を見失う場合もある。▼
[[科学]]の分野では'''論理実証主義'''の意味で用いられ、[[還元主義]]と共によく用いられる。Sabraによれば、論理実証主義を打ち立てた最初期の科学者は10世紀のアラビアの科学者[[イブン・アル・ハイサム]]である<ref>Sabra, A. I., "The astronomical origin of Ibn al-Haytham’s concept of experiment," pp. 133-136 in Actes du XIIe congrès international d’histoire des sciences, vol. 3. Paris: Albert Blanchard, 1971; reprinted in A. I. Sabra, Optics, Astronomy and Logic: Studies in Arabic Science and Philosophy. Collected Studies Series, 444. Aldershot: Variorum, 1994 ISBN 0-86078-435-5</ref>。彼は実験や経験知から法則性を見出し、光学を飛躍的に発展させた。▼
[[法学]]の分野においては、[[道徳]]や[[自然法]]などの他の価値基準に拠らないで[[実定法]]のみに法体系の根拠をもとめる立場を[[法実証主義]]と呼ぶ。▼
▲== 科学哲学における実証主義 ==
▲[[科学]]の分野では'''論理実証主義'''の意味で用いられ、[[還元主義]]と共によく用いられる。論理実証主義を打ち立てた最初期の科学者は10世紀のアラビアの科学者[[イブン・アル・ハイサム]]である<ref>Sabra, A. I., "The astronomical origin of Ibn al-Haytham’s concept of experiment," pp. 133-136 in Actes du XIIe congrès international d’histoire des sciences, vol. 3. Paris: Albert Blanchard, 1971; reprinted in A. I. Sabra, Optics, Astronomy and Logic: Studies in Arabic Science and Philosophy. Collected Studies Series, 444. Aldershot: Variorum, 1994 ISBN 0-86078-435-5</ref>。彼は実験や経験知から法則性を見出し、光学を飛躍的に発展させた。
[[素粒子物理学]]の分野ではまさに根源を探る上で重要な概念ともいえる。しかし[[生命]]、[[量子力学]]における[[観測問題]]など実証主義が適用できない場合もあり、新たな哲学を必要とする時代がきている。
特に現代の文脈で使われる実証主義は、自然科学その他で取り上げられる、科学探究に対する態度の一つとしてのそれである。この場合、実証主義は「一般法則は観察と論理によってのみ正当化される」と主張する。そこからは当然ながら独断や啓示は排除される。実証は観察と論理によるから、主に[[帰納法]]がとられる。実証主義は20世紀前半まではあまり疑われずにいた思想であった。
ところが、ここで根本的な問題が生じる。「帰納法の使用に基づく実証そのものの正当性はいかにして正当化されるのか?」ということである(cf. [[帰納]])。「全ての正当化が帰納法によってのみ行われうる」こともまた一つの一般法則(Lとする)であろう。すると、この一般法則Lもまた実証によってのみ正当化されねばならない。ここで、実証は帰納法に基づくから、一般法則Lもまた帰納法で証明される必要がある。ところが、帰納法の広い正当性をより狭い帰納法で証明することは基本的に論理的でなく、帰納法は基礎において厳密な論理的根拠がない。この事情から、帰納によってのみ実証するという意味での実証主義は、科学分野の基礎
なお、帰納法そのものは「[[自然の斉一性|斉一性の原理]]」すなわち「他の要因がない限り、事象は今まで通り動いていく」に基づいている。これもまた、実証されるべき一般法則であるが、当然ながらこれを実証することは不可能である。
<!--どの業界で主流になっている? 科学哲学? 科学者? それとも他の何か?
現在では、実証主義に代わって、反証可能性を中心とした[[反証主義]]が主流になっている。{{要出典}}▼
▲現在では、実証主義に代わって、反証可能性を中心とした[[反証主義]]が主流になっている。{{要出典}}-->
:注意。ただし仮説でなく実験を行った場合、実験による観察から得られた見解をそれよりも広い条件範囲に適用する行為は、科学哲学以前に、科学として実証とは認められない。
== 歴史学における実証主義 ==
▲[[歴史学]]では、19世紀ドイツの歴史家[[レオポルト・フォン・ランケ|ランケ]]によって確立された。歴史学における実証主義者は厳密な史料批判を行い、客観的な事実を確定し、事実のみに基づいた歴史記述を行うものである。彼らは歴史を特定の立場に都合よく利用する思想を排し、科学的・客観的に歴史を把握しようという立場から主張
== 法学における実証主義 ==
▲[[法学]]の分野においては、[[道徳]]や[[自然法]]などの他の価値基準に拠らないで[[実定法]]のみに法体系の根拠をもとめる立場を[[法実証主義]]と呼ぶ。
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[経験論]]
* [[科学主義]]
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== 参考文献 ==
* [[戸田山和久]]、『科学哲学の冒険――サイエンスの目的と方法をさぐる』、[[日本放送出版協会]]、2005年
== 外部リンク ==
[http://100.yahoo.co.jp/detail/実証主義/ Yahoo百科事典の「実証主義」の項]
[http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/jissyou.html 実証主義 - 哲学的な何か、あと科学とか]
{{書きかけ}}
{{科学哲学}}
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