「直巻整流子電動機」の版間の差分

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仮に並列フルステップ速度を40km/h、運行時の最高速度を120km/hとすると、最高速度時の運動エネルギーの9分の1がフルステップ時の運動エネルギーで、直並列制御をした場合の抵抗損はその2分の1だから、全体の走行エネルギーの18分の1が抵抗損として増加するだけになる。それを高価な電機子チョッパ制御で回収するより、安価に実現できる高速領域からの回生制動で取り返す界磁チョッパ制御が有効だと私鉄各社が考えて回生制動車が多く採用された。
 
唯一、[[帝都高速度交通営団]]のみは、シールド工法以降の密閉性の高いトンネル内での発熱を抑える事を目的として、力行時にも抵抗器を使用しない電機子チョッパ制御を[[営団6000系電車|6000系電車]]以降全面採用し、[[営団05系電車#第15 - 18編成(5次車)|05系5次車]]までこれを貫いた。もっとも営団が重視したトンネル内温度上昇の主原因は発電ブレーキによるものだった為、回生ブレーキを持つ乗り入れ他社の界磁チョッパ制御車の発熱もあまり問題にはならなかった<ref>[[東京地下鉄千代田線|千代田線]]では、3社直通のうち、2社が、電機子チョッパ制御の営団6000系、界磁チョッパ制御の[[小田急電鉄|小田急]][[小田急9000電車|9000]]といった回生ブレーキ車を採用したのに対して、国鉄のみ抵抗制御で発電ブレーキの[[国鉄103系電車#1000番台|103系1000番台]]を投入した為、地下駅構内の気温を上昇させたばかりか、車内も蒸し風呂のような状態となって乗客から顰蹙を買った。この為乗客の中には国鉄車が来ると見送りをし、営団車か小田急車の待ちをするものが増え、ただでさえ混雑する千代田線のラッシュに大混乱を発生させた。この為、営団側からの強い要請により、103系1000番台の減価償却を待たずに[[国鉄203系電車|203系]]への全面置き換えが実施された。</ref>。
 
前出「界磁添加励磁制御」は、励磁用別電源を準備することで構造が複雑な複巻電動機の使用を避けて直巻電動機を回生制動時に実質分巻特性化して高速度域の回生制動を実現させ、起動は安価な抵抗制御で済ませる方式である。