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'''孔雀石'''(くじゃくせき、malachite、'''マラカイト''')は美しい緑色の柔らかい[[単斜晶系]]の[[鉱物]]である。孔雀石の名は微結晶の集合体の縞模様が[[クジャク|孔雀]]の羽の模様に似ているこ、もっに由来する。英語起源のマラカイトも一般的ど欧語表記は[[ギリシア語]][[アオイ科二次鉱物]]の植物の名称)に由来すである。
 
組成は、炭酸水酸化銅 Cu<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>(OH)<sub>2</sub> であり、通常微結晶の集合体として産する。結晶は繊維状であり、薄い層が重なっているような場合、層ごとに濃淡があるため、[[グラデーション]]に似た効果が現れる。[[条痕]]は淡緑色。[[モース硬度]]3.5-4は、硬度7以上を定義とする[[宝石]]には合致しない。[[比重]]は3.5-4。
 
== 性質 ==
孔雀石は[[銅]]を含むもっとも一般的な二次[[鉱物]]であり、一次鉱床の銅鉱石が大気中の[[二酸化炭素]]や[[地下水]]の作用によって[[風化]]し、銅化合物が濃集して形成された二次鉱床として一次鉱床の周辺などに分布する。[[黄銅鉱]]から生成した孔雀石には、まだ中心部に黄銅鉱を残したまま発見されたものもある。現在では[[ロシア]]の[[ウラル山脈|ウラル山地]]、次いで[[南アフリカ]]が主な産地となっている。ウラルでは建築建材に利用できるほど大きな孔雀石を産出する。
化学組成は、炭酸水酸化銅 Cu<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>(OH)<sub>2</sub> であり、銅製品にできるサビの[[緑青]]の主成分と同じである。皮膜状、粉状、微結晶の集合体(塊状や層状など)などの形態で産出する。
 
[[ブロシャン銅鉱]](Cu<sub>4</sub>(SO<sub>4</sub>)(OH)<sub>6</sub>)や[[擬孔雀石]](Cu<sub>5</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>(OH)<sub>4</sub>・H<sub>2</sub>O)に外観がよく似ているが、[[塩酸|希塩酸]]などの[[酸]]に溶けるときに発泡するかどうかで区別できる。
日本国内では小規模なものながらも各地の鉱山に産出し、著名な産地としては[[秋田県]]中央部の[[銅山]]である[[荒川鉱山]]([[協和町 (秋田県)|協和町]])があった。
 
== 産出 ==
孔雀石は紀元前2000年ごろの[[エジプト]]ですでに宝石として利用されていた。当時のエジプト人は[[ラピスラズリ]](青)や[[紅玉髄]](赤)などと組合せ、特定のシンボルを表す装身具を作る宝石として用いた。[[銅鉱石]]として利用されたこともあるが、現在では高品位の銅鉱石と競争できないため、ほとんど使われていない。美しい塊は研磨して[[貴石]]として扱われ、[[占い]]のアクセサリーとしても用いられる。粉砕したものは[[日本画]]の[[岩絵具]]、銅の[[炎色反応]]を利用した[[花火]]の発色剤としても重用される。
孔雀石は[[銅]]を含むもっとも一般的な二次[[二次鉱物]]であり、一次鉱床の銅鉱石が大気中の[[二酸化炭素]]や[[地下水]]の作用によって[[風化]]し、銅化合物が濃集して形成された二次鉱床として一次鉱床の周辺などに分布する。[[黄銅鉱]]から生成した孔雀石には、まだ中心部に黄銅鉱を残したまま発見されたものもある。現在では[[ロシア]]の[[ウラル山脈|ウラル山地]]、次いで[[南アフリカ]]が主な産地となっている。ウラルでは建築建材に利用できるほど大きな孔雀石を産出する。
 
現在では[[ロシア]]の[[ウラル山脈|ウラル山地]]、次いで[[南アフリカ]]が主な産地となっている。ウラルでは建築建材に利用できるほど大きな孔雀石を産出する。日本国内では小規模なものながらも各地の鉱山に産出し、著名な産地としては[[秋田県]]中央部の[[銅山]]である[[荒川鉱山]]([[協和町 (秋田県)|協和町]])があった。
孔雀石の粉末は、[[顔料]]([[岩絵具]])として使用される。この顔料は「岩緑青」、「マウンテングリーン」などと呼ばれる。青丹(あおに)はその古名。
 
== 名前の由来と利用 ==
孔雀石の名は微結晶の集合体の縞模様が[[クジャク|孔雀]]の羽の模様に似ていることに由来する。英語起源のマラカイトなど欧語表記は[[ギリシア語]]([[アオイ科]]の植物の名称)に由来する。
 
孔雀石は紀元前2000年ごろの[[エジプト]]ですでに宝石として利用されていた。当時のエジプト人は[[ラピスラズリ]](青)や[[紅玉髄]](赤)などと組合せ、特定のシンボルを表す装身具を作る宝石として用いられた。[[銅鉱石]]として利用されたこともあるが、現在では高品位の銅鉱石と競争できないためほとんど使われていない。美しい塊は研磨して[[貴石]]として扱われ、[[占い]]のアクセサリーとしてなどの宝飾にも用いられる。粉砕したものはが、[[日本画]]の[[岩絵具モース硬度]]3.5-4と柔らかい鉱物であることから銅の[[炎色反応]]硬度7以上利用した定義とする[[花火宝石]]の発色剤とには合致ても重用されるない
 
[[銅鉱石]]として利用されたこともあるが、現在では高品位の銅鉱石と競争できないため、ほとんど使われていない。
 
孔雀石の粉末は、[[顔料]]([[岩絵具]])として古来から使用されている。この顔料は「岩緑青」、「マウンテングリーン」などと呼ばれる。青丹(あおに)はその古名。
 
銅の[[炎色反応]]を利用した[[花火]]の発色剤としても重用される。
 
[[石言葉]]は危険な愛情。
 
[[ブロシャン銅鉱]](Cu<sub>4</sub>(SO<sub>4</sub>)(OH)<sub>6</sub>)や[[擬孔雀石]](Cu<sub>5</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>(OH)<sub>4</sub>・H<sub>2</sub>O)に外観がよく似ているが、[[塩酸|希塩酸]]などの[[酸]]に溶けるときに発泡するかどうかで区別できる。
 
== 関連項目 ==