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'''多臓器不全'''(たぞうきふぜん、{{lang-en-short|MOF; multiple organ failure}})とは、生命維持に必要な複数の[[臓器]]の機能が障害された状態のこと。特定の病態を指すわけではなく、死に至る上で誰もが通る過程であるといえる
 
== 概要 ==
一定以上の高齢者における死因としての多臓器不全は、事実上の老衰であると解されている。
MOFという概念が注目されるようになった背景には、[[救急医療]]の発達がある。MOFは本来、[[死]]に至る上で誰もが通る過程であるが、救急医療が発達する以前においては、MOFから死への距離が非常に短く、ほとんど不可分であった。しかし、[[出血]]や[[腎不全]]、[[急性呼吸窮迫症候群]]など、死の前段階における[[症候学|症候]]を一つ一つ克服した結果として、[[1970年代]]より、[[集中治療室|集中治療]]中の患者の死因として、MOFが問題視されるようになってきたものである。
 
「多臓器」の定義はやや曖昧であるが、多くの場合、具体的には、[[肺]]・[[肝臓]]・[[腎臓]]・[[消火器|消化器系]]・[[循環器系]]・[[中枢神経系]]・[[内分泌器|内分泌器系]]のうち2つ以上の機能が短期間ないし同時に不全になったとき、とされる。その発生メカニズムにつては、[[サイトカイン]]など[[化学伝達物質]]の関与が疑われている
 
現在のところ、各臓器の機能不全を個々に治療することはできるものの、これらが関連して一時に発生した場合、それぞれに対処していく以外に治療法がないのが現状である。このことから、救急医療の最大の課題のひとつとされ、予防することに重点が置かれている。予防に当たっては、MOFの前段階としての[[全身性炎症反応症候群]](SIRS)という概念が重要である。
多臓器不全が発生する一番大きな原因としては、組織への血流が低下し、低酸素状態になることが挙げられる。
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=小濱啓次|year=2005年|title=救急マニュアル 第3版|publisher=医学書院|isbn=978-4-260-00040-6}}
 
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