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しまあじ (会話 | 投稿記録)
C:CITE分類、2010年8月11日08:13(UTC)付け
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{{otheruses|特殊撮影技術|細野晴臣の音楽アルバム|S・F・X}}
{{出典の明記|date=2010年8月}}
'''SFX'''(エスエフエックス)とは特殊撮影(特撮)を意味する英語 Special Effects の略語で、フィルム、ビデオ映像に対して[[美術 (職業)|美術]]、光学処理などにより特殊な視覚効果を施し、通常ではあり得ない映像を作り出す技術をいう。日本語で'''特殊効果'''(とくしゅこうか)とも呼ばれる。
 
英語の場合は、'''SpFX'''と表記するのが一般的である。古くは活動写真の時代から「トリック撮影」と呼ばれ、「特殊効果」や「特撮」と呼ばれていた<ref>「特殊効果」という言葉が馴染みにくく、[[東宝特撮]]映画が流行った昭和の時期にマスコミで「特撮」という言葉が使われるようになった。''[[特撮#語源]]も参照''</ref>が、[[映画評論家]]・[[中子真治]]著『SFX映画の世界 CINEMATIC ILLUSION』([[1983年]])のタイトルに用いられて以降、一般に広く使われるようになった。
 
[[1980年代]]以降は[[コンピュータグラフィックス]]など、映像を後から加工する技術が生まれ、それらはSFXに対して'''[[VFX]]'''(Visual Effects, 視覚効果)と呼ばれている。映画業界ではSFXとVFXは別々のものとしてはっきりと区別する傾向が強いが、一般には浸透しておらず混同されている。
 
== SFXの歴史 ==
映画が発明された[[1895年]]、イギリスの映画監督アルフレッド・クラーク初のSFXと考えられるものを創り出している。それは[[スコットランド]]の女王・[[メアリー (スコットランド女王)|メアリー・スチュアート]]が首をねられる事件の再現の撮影で、死刑執行者がメアリーの首をねようと斧を振り上げたところでカメラを一度止め、メアリー役の女優をどかせて代わりにメアリーのダミーを置き、再びカメラを回し、ダミーの首をねさせた。これが映画で実際に起きていないことをいかにも起きたように観客信じさせた最初の効果であった。クラークはトリックによってそれが実際に起きていることだと観客に信じ込ませ、映画は実際にはありえないことも表現できる可能性を示した。
 
映写技師出身で[[RKO]]に在籍していたエンジニア、リンウッド・ダン (1904-98) は当時海外配給用に異なる大きさの画像を焼き付けるため使われていた[[オプティカル・プリンター]]を[[光学合成]]用に改良し、撮影不可能な場面を合成処理で作り出すだけでなく複数のフィルムを扱うことで多彩な映像効果も操作出来るようになった。<!--光学処理された最初期の映画には『[[空中レビュー時代]]』(1932)、『[[キングコング]]』(1933)、『[[旅ガラス子供連れ]]』(1934)、『[[洞窟の女王]]』(1935)、そして『[[市民ケーン]]』(1938) とRKO作品が続く。-->
 
[[1935年]]、RKOは[[テクニカラー]]を使用した初の商業映画「ベッキー・シャープ」を製作。カラー映画を製作できることは、映画の見た目のリアリティーを強くした。 [[第二次世界大戦]]中、白黒映画は新しく人気の出てきた戦争映画ではもっとも一般的だったが、新しい現象が映画製作者に及んでいた。ミニチュアの使用である。
 
映画製作者は、船を飛び立つ飛行機や大海を進んでいく空母の隊列といった複雑な場面を作り出すべく、大量の水に模型ボートを浮かべ、模型飛行機を配してその場面を撮影した。波を起こす特別な機械を使うことで、本物のようなボートや飛行機の場面を作り出すことができたのである。『Ships with Wings』(1942) などの映画は模型の船や飛行機、ミニチュアの火薬技術に依存して、それらが登場する戦争の描写を行っていた」(Rickitt, 23)。これにより、観客には「何が本物で何が本物でないのか、どうすれば分かるのか」という疑問が投げかけられることになった。
 
[[1968年]]には[[スタンリー・キューブリック]]監督の『[[2001年宇宙の旅]]』が製作された。キューブリック監督が目指した極限まで画質が高く革新的な映像には既成の光学合成だけでは対応できず、合成段階の画質劣化を避けて殆どの場面で大面積のフィルムを使用した重ね撮りが行われ、猿人たちがモノリスと遭遇する場面の撮影に新しい[[スクリーン・プロセス]]の方法として[[フロント・プロジェクション]]に改良が加えられ、また星の門(スター・ゲート)が開く場面にはスリット・スキャンが考案された。カメラのシャッターを開けた状態で被写体を動かし残像を撮影する手法を発展させたものである。<!--本作でSFX技法の開発に寄与したのは当時26歳だった[[ダグラス・トランブル]]で、彼自身と彼のスタッフが1970年代末から1980年代のSFX映像に大きく貢献することになる。-->
 
そして1977年、新しい超大作映画がマーケットに現れた。[[ジョージ・ルーカス]]監督の『[[スター・ウォーズ]]』である。『スター・ウォーズ』には斬新な特殊効果が満載されていた。ルーカスの[[インダストリアル・ライト&マジック|ILM]]は[[ストップモーション・アニメーション]](コマ撮りアニメ)の技術を頂点まで極めさせた。ストップモーション自体はすでに50年の間使われていた技術だったが、コンピューターでキャメラと被写体の一部をモーションコントロール化することで、非常に滑らかな動きを作り出した。これはもはやストップモーションではなく[[ゴー・モーション]]と呼ばれた。しかし、そのたった数年後には[[コンピュータグラフィックス|CG]]という全く新しい映像技術が誕生し、ストップモーションに取って代わった。ストップモーションはリアルなSFXには使われなくなったが、CGには全くない味があると好む人々も多く、映像表現として完全に廃れることはないと考えられている。
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(翻訳中)
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== SFX技術 ==
SFX技術は「美術・舞台装置によるもの」「撮影技術・光学処理によるもの」に大別できる。なお、かつては光学的な処理でしか実現できなかった「ブルーバック」や「マットペイント」は、原理こそ同じものの、現在はデジタル処理で行なわれることが多い。
 
=== 美術・舞台装置によるもの ===