「就職氷河期」の版間の差分

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[[2000年代]]半ばの輸出産業の好転で、雇用環境は回復し、[[2005年]]には就職氷河期は一旦終結した。新卒者の求人倍率は上昇し、[[2006年]]から[[2008年]]の3年間は一転、売り手市場と呼ばれるようになり、有効求人倍率は[[2006年]]から[[2007年]]にかけて 1 を上回った。13年近くにわたる採用抑制の影響により、多くの企業で人手不足となっており、労働環境が苛酷になる企業が増加した。また、従業員の年齢構成が歪んでいるため技術・技能の伝承が困難になっていた。このため、企業はそれまでの態度を覆し、こぞって新卒の大量採用に走り、特に金融関係の採用意欲は強く、大手金融機関のなかには一度に数千人採用した例もあった。
 
一方で、既卒者の雇用環境は厳しいままであり、世代間による雇用機会の不均衡を指摘する声が強まった。日本の労働市場における採用慣行は[[新卒一括採用]]と[[年功序列]]に偏重しているため、既卒者([[第二新卒]]など)の就職が著しく不利になっているから、卒業後すでに相当の年数が経った氷河期世代の求職者、とくにそれまで正規雇用されたことがない者は極めて不利な条件下に追い込まれている。団塊世代の退職による労働力減少への対応についても、大多数の企業は新卒者ないしは賃金の安い外国人労働者、定年退職者の再雇用によって補うことがあり、必ずしも氷河期世代の救済にはなっておらず、非正規雇用の割合は2008年まで上がり続けているという状況がある<ref>[http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3240.html 正規雇用者と非正規雇用者の推移]</ref>。また新卒者に関しても求人倍率そのものは「バブル期並み、もしくはそれ以上」と言われたが、氷河期に比べたら採用基準は緩和したものの依然として厳選採用の傾向にあった。優秀な学生がいくつも内定を獲得した一方で、内定を一つ得るのに苦労した学生もおり、「内定格差」なる言葉も生まれた
 
数年間続いた「売り手市場」であったが、[[2008年]]に[[サブプライムローン問題]]を発端とする世界的な景気悪化が本格化し、雇用情勢は再び氷河期の情勢を呈している。