「ローマの松」の版間の差分
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初演は、1924年12月14日、[[ローマ]]の[[アウグステオ]]楽堂で行われた。
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後述するようなタイトルのつけられた4つの部分によって構成されている。おのおのに於いて異なった松と場所、時間を彼の得意とした色彩的なオーケストレーションを用いてうまく描写している。
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つまり、彼はこの曲で単に松のことを描こうとしたわけではなく、松という自然を通して[[古代ローマ]]へ眼を向け、ローマの往時の幻影に迫ろうと言う意図をもっていた。そのためこの曲には、[[グレゴリオ聖歌]]などの古い[[教会旋法]]が好んで使用され、古い時代への郷愁と過去への幻想が効果的に生かされている。
演奏時間は約20分。▼
== 楽器編成 ==
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*:楽譜出版社であるリコルディ社からテープが発売されている。何らかの方法で代用している例も少なくないが、普通はこの出版社のパート譜の貸し譜に付いてくる。
== 構成 ==
▲演奏時間は約20分
楽章の後の文章はレスピーギによる曲の説明。なお、以下の4つの部分は切れ目なく続けて演奏される。
=== 第1部 ボルゲーゼ荘の松===
(
アレグレット・ヴィヴァーチェ→ヴィヴァーチェ(8分の2拍子)
「ボルゲーゼ荘の松の木立の間で子供たちが遊んでいる。彼らは輪になって踊り、兵隊遊びをして行進したり戦争している。夕暮れの燕のように自分たちの叫び声に昂闘し、群をなして行ったり来たりしている。突然、情景は変わり、第二部に曲は入る。」
===第2部 カタコンブ付近の松===
(
レント(4分の4拍子)
レント(4分の4拍子)「カタコンブの入り口に立っている松の木かげで、その深い奥底から悲嘆の聖歌がひびいてくる。そして、それは、荘厳な賛歌のように大気にただよい、しだいに神秘的に消えてゆく」-カタコンブとは古代ローマでの初期キリスト時代の墓のこと、信者たちの悲観と祈りに満ちた歌声が全オーケストラを駆使して描かれる。▼
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[[カタコンベ|カタコンブ]]とは古代ローマでの初期キリスト時代の墓のこと、信者たちの悲観と祈りに満ちた歌声が全オーケストラを駆使して描かれる。
===第3部 ジャニコロの松===
(
「そよ風が大気をゆする。ジャニコロの松が満月のあかるい光に遠くくっきりと立っている。夜鶯が啼いている。」
[[ジャニコロの丘]]はローマ南西部にある。満月の中に浮かぶ松と幻想的な月光が描かれる。クラリネットのソロが哀しい。 曲の最後には[[ナイチンゲール]]の鳴き声がテープ(初演時はレコード)で再生される。具体音の録音物をオーケストラで演奏内での再生に用いた最初期の例の一つ。
===第4部 アッピア街道の松 ===
(
テンポ・ディ・マルチャ
「アッピア街道の霧深い夜あけ。不思議な風景を見まもっている離れた松。果てしない足音の静かな休みないリズム。詩人は、過去の栄光の幻想的な姿を浮べる。トランペットがひびき、新しく昇る太陽の響きの中で、執政官の軍隊がサクラ街道を前進し、カピトレ丘へ勝ち誇って登ってゆく。」
== 参考文献 ==
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