「サンディカリスム」の版間の差分

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サンディカリスムの中では、より急進的で革命的な[[アナルコサンディカリスム]]が有名であり、穏健な立場のサンディカリスムはその陰に隠れてしまっている。アナルコサンディカリスムは、[[アナキズム]](無政府主義)とサンディカリスムが結合したもので、資本主義のみならず国家をも廃絶し、その代わりを労働組合が務めると主張した。アナルコ・サンディカリスムは[[スペイン]]で勢力が強く、特に[[スペイン内戦]]の時期に全盛期を迎えたが、アメリカに本拠を置く[[世界産業労働組合]](IWW)など、スペイン以外でも有力な支持者がいた。
 
サンディカリスムは協同組合経済論のなかでは社会主義および[[共産主義]]と並び重要なイデオロギーである。サンディカリスムにおいて、倫理面では、組織された労働組合に参加する者は、その生産物に対し等しく所有権を有し、それゆえ地位や任務にかかわらず等しい稼ぎと等しい便益を得る。これに対し、社会主義においては、各企業が要求する通りに生産物を企業間に配分することが強調され、各企業が内部でどのように組織されているかは必ずしも考慮されない。共産主義とは異なり、サンディカリスムは[[私的所有権|私的所有]]とも両立する。共産主義の場合は政府に認められた私的所有および私的な収入を否定し、すべての資産を法的に公有のものとし、人々自身が直接これらを管理することになるとしている。
 
またサンディカリスムにおいて、経済を運営している労働組合は政治を行う政府とは独立して存在しており、政府による[[計画経済]]などを必要とはしない。資本主義における企業同様、サンディカリスムにおける労働組合は互いに複雑な協力関係を共有し、政府と対立することもありうる。