「グローバル・ポジショニング・システム」の版間の差分

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つまり、GPS衛星上の時計と地上の時計は、それぞれ特殊相対論と一般相対論による遅れの影響を受ける。地上時計は、特殊相対論効果により、GPS衛星の時計より早く進む。一方、地上での重力の影響は上空のGPS衛星より大きいので、一般相対論効果により逆にGPS衛星の時計より遅れることになる。このように特殊相対論と一般相対論における時間の遅れの効果が相反的に影響を及ぼすが、結果的には地上時計がわずかに遅れるので、GPS衛星の時計は、これを補正するため遅く進むように設計<ref>U.S. Coast Guard Navigation Center, [http://www.navcen.uscg.gov/pubs/gps/icd200/ "Interface Control Document (ICD 200c)"]</ref>されている。<br>[[アルベルト・アインシュタイン|アインシュタイン]]が一般相対性理論を1916年に発表して以来、重力による空間の歪みという概念は、人間の社会生活に影響することはないと考えられていたが、GPSでは相対論による補正がないと正しい測定結果が得られない。
 
=== GPS時刻 ===
<!--これとは別に、-->GPS時刻 (GPSの<!--衛星がもっている-->基準時刻系)は1980年のUTC([[国際原子時|TAI]]-19秒)を基準とし、数年に1度加えられる[[閏秒]] ([[世界時|UT]]と[[協定世界時|UTC]]の差が大きくならないように挿入される秒) を修正したことがないため、GPS時刻はUTCから15秒進んでいる(2009年1月1日の修正後)。この差はGPS信号の中に含まれているため、受信機ではこの差を補正して時刻を出力している。このUTCとのオフセット信号は255(8ビット)の値まで持てるため現状の閏秒挿入のペースであれば2300年頃まで問題ないと考えられる。
 
=== 人為的に加えられた誤差 ===