「新トマス主義」の版間の差分

'''新トマス主義'''（しんとますしゅぎ、Neo-Thomism）は、19世紀後半に、[[ローマ教皇]][[レオ13世]]の回勅をきっかけに起きた[[トマス・アクィナス]]の[[神学]]・[[哲学]]を現代に復活させる思想ないし運動をいう。代表的な論者に[[フランス]]の[[エティエンヌ・ジルソン]]、[[ジャック・マリタン]]がいる。[[カトリック]]信仰を前提とし、哲学を神学の下位におき、法と民主主義を遵守して生活することを旨とする。その影響は広汎で、学問の分野を問わず、世界各国にも及んでいる。人間の本性に即して理性的に社会制度の長所・問題点を検討するという[[自然法]]に基づく方法論は、[[シュライバー]]の『トマス以降のスコラ経済学』、[[クールマン]]の『トマスの法学における権利に関する法概念』、[[オットー・シリンク]]の『トマスの国家・社会教説』、[[リンヒャルト]]の『聖トマスの社会諸原理』などに結実している。