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== 概要 ==
丁度可知差異は英語の "just noticeable difference" の訳語で、文字通り人間のさまざまな[[感覚]]での「ちょうど(違っていると)分かる差異」を表す。
 
丁度可知差異の考え方を最初に用いたのは19世紀の[[ドイツ]]の[[生理学者]]である[[エルンスト・ヴェーバー]]で、人間が感じる重さの感覚について以下の式で表される法則を発見した
<ref name="WebersLaw">{{Cite web
| title = Weber's Law of Just Noticeable Differences
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ここで<math>I\!</math> は標準刺激の強さ、<math>\Delta I\!</math> は違いが分かる最小の差異(丁度可知差異)、''k'' はヴェーバー比と呼ばれる定数である。
 
これは[[ヴェーバー‐フェヒナーの法則|ヴェーバーの法則]]と呼ばれ、例えば 40g の重さに対し 1g 加えることで変化が分かった場合、80g の重さに対しては 2g 加えないと変化が分からないということを表す。
 
ヴェーバーの弟子で[[精神物理学]]の創始者でもある[[グスタフ・フェヒナー]]は重さ以外の感覚にも適用範囲を広げ、ヴェーバーの法則の定式化と理論付けを行った。
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極限法は、実験者があらかじめ決めた間隔で刺激の強さを上方向/下方向に段階的に変化させ、標準刺激との差異を被験者が判断する。刺激の変化方向の影響をなくすため上方向/下方向の変化を同じ回数行って平均をとる。比較的実施が容易であるという長所があるが、慣れや期待による誤差が発生しやすい。
 
恒常法は、極限法のように比較刺激を段階的に変化させるわりに、あらかじめ決めた間隔の刺激をランダムに提示する方法である。慣れや期待による誤差は発生しにくいが、ランダムに提示された結果から正確な情報を得るために非常に多くの刺激を提示して統計的処理を行う必要があり、測定に時間がかる。
 
調整法は、被験者自身が比較対象となる刺激を調整できるため、分かりやすく測定が短時間で済むという長所があるが、被験者の意図が入る可能性がある。
 
極限法と恒常法では、標準刺激と比較対象刺激との区別が不確実な範囲(不確定帯)の 1/2 が丁度可知差異になる。調整法では標準刺激と同じと判断された反応の[[標準偏差]]の 0.6745 倍(確率が 50% の誤差範囲)が丁度可知差異である<ref name="YorkU"></ref>
調整法では標準刺激と同じと判断された反応の[[標準偏差]]の 0.6745 倍(確率が 50% の誤差範囲)が丁度可知差異である<ref name="YorkU"></ref>。
 
== 脚注 ==