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'''重要事項説明'''(じゅうようじこうせつめい)とは、委託契約・売買契約・貸借契約に際して、契約に関する重要事項を説明すること。宅地建物の取引、[[保険]]の販売、マンションの委託契約([[管理業務主任者]])、建築設計契約などに重要事項の説明あるが、ここでは建築設計契約締結時のものを扱う
 
== 概要 ==
=== 宅地建物取引業による重要事項説明 ===
宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を重要事項説明書という。
 
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引主任者でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある。
 
説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、1)取引対象不動産の権利関係、2)取引対象不動産に係る法令上の制限、3)取引対象不動産の状態やその見込み、4)契約の条件、に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。
 
重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。
 
=== マンション管理業による重要事項説明 ===
管理組合との間で、管理委託契約を締結する際には、マンション管理業者は、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理適正化法第72条)。
 
=== 工事監理契約による重要事項説明 ===
[[2008年]][[11月28日]]から施行された改正[[建築士法]]によって設計・[[工事監理]]契約を締結する場合は、その契約締結前にあらかじめ、建築主に対し重要事項の説明を行うことが義務づけられた。説明を行う建築士は、自らの建築士免許証を提示してこれを行わなければならない。
 
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== 具体的な内容 ==
=== 宅地建物取引業による重要事項説明 ===
*登記された権利の種類・内容等
*都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限
*私道に関する負担等に関する事項
*飲用水・ガス・電気の供給施設、排水施設の整備の状況
*物件が工事の完了前のものであるときは、工事完了時における形状、構造等の事項
*区分所有建物の場合における一棟の建物の敷地に関する権利の種類および内容、共用部分に関する規約の定め等に関する事項
*売買代金以外に授受される金銭の額および授受の目的
*契約の解除に関する事項
*損害賠償額の予定または違約金に関する事項
*手付金等の保全措置の概要
*支払金または預り金の保全措置の有無および概要
*売買代金に関する金銭の貸借のあっせんの内容および金銭の貸借が成立しないときの措置
*その他建設省令で定める事項
*割賦販売
*その取引に関与する宅地建物取引業者および宅地建物取引主任者の記載
*供託所等に関する説明
*取引態様(売買・交換・貸借の別および当事者・代理・媒介の別)
=== マンション管理業による重要事項説明 ===
*マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日
*管理事務の対象となるマンションの所在地に関する事項
*管理事務の対象となるマンションの部分に関する事項
*管理事務の内容及び実施方法(法第七十六条 の規定により管理する財産の管理の方法を含む。)
*管理事務に要する費用並びにその支払の時期及び方法
*管理事務の一部の再委託に関する事項
*保証契約に関する事項
*免責に関する事項
*契約期間に関する事項
*契約の更新に関する事項
*契約の解除に関する事項
 
=== 工事監理契約による重要事項説明 ===
*建築士事務所の名称及び所在地
*建築士事務所の開設者の氏名
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設計・[[工事監理]]の一部を再委託する場合
 
*受託者が開設している設計事務所の名称、及び開設者氏名
*再委託する設計・工事監理の概要
 
== 再委託の制限 ==
改正建築士法では新たに下記の再委託の制限も設けられた。
 
*委託者が許諾しても、設計事務所の開設者以外の者への設計・[[工事監理]]の再委託を禁止する。(建築士資格があるだけでは委託を受けられず、事務所を開設している事が必要)
*一定の規模以上・使用目的の建築物に関して委託者が許諾しても、他の設計事務所への設計・工事監理の一括再委託を禁止する。(いわゆる丸投げの禁止)
 
== 設計施工に関して ==
これは設計施工を謳う場合の工事契約にもあてはまる。設計のない建築は存在せず、建築確認には工事監理者の名前を記入しなくてはいけない。したがって、設計施工の工事契約を締結する前にも重要事項の説明をすることが必然となると考えられる。
 
設計施工の工事契約の場合、設計・監理の存在が曖昧で、どのような業務が含まれるのか、外注で実際に設計するのは誰なのか、設計監理にかかわる費用がどの程度なのか、などが一切明確にされていない事が多い。
 
また、これまで慣習的に行われてきた、確認の代願行為等により([[確認代願]])設計者・工事監理者不在の実態が横行し、それが[[欠陥住宅]]問題の大きな原因の一つでもある。重要事項の説明により、設計・工事監理の適正な運営が行われることが欠陥住宅をなくす方策として期待される。
 
{{DEFAULTSORT:しゆうようしこうせつめい}}
[[Category:建築設計]]
[[Category:不動産]]