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'''二重惑星'''(にじゅうわくせい)とは、(明確な定義はないが、おおむね)大きさが近い2つの[[惑星]]サイズの天体がお互い共通重心の周りを公転しているようなのことである。
 
== 二重惑星の定義 ==
二重惑星系と惑星 - [[衛星]]系を区別する基準についてはいくつかの議論がある。
 
二重惑星を構成する2つの天体は、大きさ質量が似通っている。ただし、「大きさ質量が似通っている」と判断するための閾値に関しては明確に決まっていない。通常、衛星はその母惑星に比べ十分に小さい。二重惑星し例外として地球のどうかが問題にならない衛星のうちある月最もその比が小さいタイタンでも冥王星質量は1/423土であるカロンが存在し、後述するよう質量これらを二重惑星とるか否かにつぎなて議論されている
 
しかし例外として[[地球]]の衛星の[[月]](1/81.3[[地球質量]])、[[冥王星]]の衛星[[カロン (衛星)|カロン]](1/8.6冥王星質量)があり、これらを二重惑星とするか否かが議論されている。
二つの天体が二重惑星を形成しているかどうかを判断する指針としてよく利用されるのは、二つの天体の共通[[重心]]が、どちらかの天体の表面より外側、すなわち宇宙空間にあるかどうかによって判断する方法である。重心が天体内部にある場合、その系は惑星と衛星であり、重心が宇宙空間にあれば二重惑星ということになる。これは、二つの惑星がお互いの周りを廻るというイメージとよく一致する判断基準である。しかし天体間の距離が大きく影響する定義であり、必ずしも「大きさが似通っている」というイメージに対する基準ではない。例えば地球と月は重心が地球内部にあるが、月は徐々に地球から遠ざかっており、将来的に重心が地表に出る可能性がある。すなわち両者の大きさが変わっていないにもかかわらず、二重惑星であるか否かの認識が変化してしまう可能性がある。
 
2つの天体が二重惑星を形成しているかどうかを判断する指針としてよく利用されるのは、2つの天体の共通[[重心]]が、どちらかの天体の表面より外側、すなわち宇宙空間にあるかどうかによって判断する方法である。重心が天体内部にある場合、その系は惑星と衛星であり、重心が宇宙空間にあれば二重惑星ということになる。これは、二つの惑星がお互いの周りを廻るというイメージとよく一致する判断基準である。しかし天体間距離が大きく影響する定義であり、必ずしも「大きさが似通っている」というイメージ対する基準ではない。例えよれ地球月は共通重心が地球内部にあるが、月は徐々に中心から0.74地球半径しら遠ざかっ離れいないので惑星‐衛星系であり、将来的に重心冥王星‐カロンはその距離地表約2.0冥王星半径(冥王星半径が正確出る可能性求まっていないため誤差ある。すなわち両者の大きさが変わっていにもかかわらず、ので二重惑星であるか否かの認識が変化してしまう可能性がある。
[[生化学|生化学者]]であり[[作家]]でもある[[アイザック・アシモフ]]は、二つの天体それぞれについて太陽を回る軌道が[[凸状軌道]]であれば二重惑星であるという定義を提唱したが、一般的ではない。
 
しかし天体間の距離が大きく影響する定義であり、必ずしも「質量が似通っている」というイメージに対する基準ではない。たとえば、地球と月の共通重心は地球中心よりも地球表面に近く、地球と月の距離ががあと1.35倍遠ざかれば、共通重心は地球外に出てしまう。現に、月は徐々に地球から遠ざかっており、現在のペースが続けば約30億年後にはそれが現実となる。つまり、地球と月自体には何の変化もないにもかかわらず、惑星・衛星系から二重惑星系に変わってしまう。
 
さらに、現実に太陽系内で起こりうるケースではないが、主惑星の[[密度]]にも依存しており、仮に地球の密度が2.45倍になれば共通重心は地球外に出てしまう。また主惑星の[[自転]]速度にも依存しており、仮に冥王星の自転が非常に高速で扁平な[[回転楕円体]]になれば、共通重心が冥王星内に入ってしまう。
 
[[生化学|生化学者]]で[[SF作家]]でもある[[アイザック・アシモフ]]は、二つの天体それぞれについて太陽を回る軌道が[[凸状軌道]]であれば二重惑星であるという定義を提唱から、地球と月は二重惑星だとしたが、。しかしこの定義は一般的ではない。この定義も2天体間の距離に依存し、さらに、恒星との間の距離にも依存する。ただし、主惑星の密度や自転速度には依存しない。
 
== 太陽系の二重惑星 ==
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太陽系に属する天体で二重惑星の候補となりうるのは、[[地球]]と[[月]]のペア、及び[[冥王星]]とその衛星[[カロン (衛星)|カロン]]のペアである。
 
地球と月からなる系の場合、月の直径は地球の1/4、質量は1/8081である。これは衛星のサイズとしては異常に大きいが、質量を見た場合、「地球と似通った大きさ」と呼ぶには小さすぎる。また地球と月の共通重心は地球の表面よりも内側にあるため、地球と月は二重惑星ではないという見方が一般的である。
 
冥王星とカロンの場合、質量比が7:1であり、また共通重心が宇宙空間にあるため、二重惑星と見ることができる。しかし、そもそも冥王星自体を惑星に含めてよいかどうかについてはかねてから疑問の声があった。[[2006年]][[8月]]に開催された[[国際天文学連合]]総会では、当初太陽系の惑星として、既知の9個に[[ケレス (準惑星)|ケレス]]、{{mp|2003 UB|313}}([[エリス (準惑星)|エリス]])とともにカロンを加えることが提案され、これが採用されれば冥王星とカロンは正式に二重惑星と認定される可能性があったが、結果的にカロンは衛星のまま、冥王星を惑星から[[準惑星]]に分類しなおす形となった。もし今後カロンも準惑星とされることがあれば「二重準惑星」になるわけである。
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{{DEFAULTSORT:にしゆうわくせい}}
[[Category:惑星]]
[[Category:惑星の種類]]
[[Category:星]]
 
[[ar:كوكب مضاعف]]