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: 初期の砲弾では、タングステン合金の強度が不十分で単体で侵徹体を構成することができず、密度は劣るが靭性の高い[[マルエージング鋼]]製の保持筒(鞘、弾殻)にタングステン合金を詰めた構造になっていた。その分密度が落ちて貫通力が劣った。その後1970年代に[[イスラエル]]が独自の技術でタングステン合金単体(モノブロック構造)の弾体を開発し、実戦で[[T-72]]を撃破した事から世界の軍事関係者の注目を受け、[[北大西洋条約機構|NATO]]軍でもライセンス生産されている。
: タングステンを90-93%程度の主体として、[[ニッケル]]と[[鉄]]を加え、更に[[コバルト]]、[[銅]]、[[クロム]]、[[銀]]が添加されているものもある。[[密度]]:17.1-17.5g/cm<sup>3</sup> [[衝撃波速度]]:6.0kg/sec(タングステン単体、粒子速度1.5km/sec) [[衝撃インピーダンス]]:約105(密度×衝撃波速度)[[引張強さ]]と[[伸び]]:1,200[[ニュートン|N]]/mm<sup>2</sup>以上で10%程
: タングステンの重大な問題として資源の9割が中国に偏在していることが挙げられる。つまり劣化ウラン弾を禁止した場合、中国と対立した国はタングステン輸出を停止されて対戦車砲弾を作ることができなくなってしまい、中国に非常に有利になる。
 
;劣化ウラン合金
: アメリカやロシアなどの一部の国では、自然に存在する物質では一番[[密度]]が高く、タングステンより容易に入手出来て、何より[[核廃棄物]]である為に材料費が安くてすむ[[劣化ウラン]](Depleted uranium)合金を侵徹体に用いているが、[[重金属]]としての毒性や残留[[放射能]]が、戦闘員や現地住民に健康被害を及ぼしているとする意見もある([[湾岸戦争症候群]]を参照)。劣化ウラン合金には、侵徹時の穿孔過程で先端外縁部が早期に脱落するために先鋭化する「セルフ・シャープニング効果」(Self sharpening effect)によって、タングステン合金に比べて穿孔が小さく侵徹のエネルギーが深さ方向に有効に働いてより厚い装甲板を貫けるという特性がある。また、装甲板を抜けた後では、破片や微細化した劣化ウランが高温によって激しく酸化、つまり燃焼する特性もあり、この点でも敵の無力化に有効だとされる。