「マイケル付加」の版間の差分
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en:Michael reaction#Mechanism16:42, 27 December 2010(UTC)を抄訳 |
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'''マイケル付加'''反応({{lang-en-short|Michael addition}})は、[[エノン|α,β-不飽和カルボニル化合物]]に対して[[カルバニオン]]またはその他の[[求核剤]]
[[Image:Michael_reaction.png|center|280px]]▼
== 概要 ==
[[エチレン]]のような通常の[[アルケン]]は一般的には求核剤との反応は起こらないが、[[アクリル酸メチル]]のように、電子求引性基によって(求核攻撃に対して)[[活性化]]されたアルケンは、[[グリニャール試薬]]や[[エノラート]]のような求核剤と反応することが可能である。同様に、[[電子求引性基]]である[[ニトロ基]]や[[シアノ基]]の結合したビニル化合物についても同様の反応が起こる。
一般のカルボニル化合物と求核剤との反応では、求核剤がカルボニル炭素に対して求核攻撃するが、▼
マイケル付加反応においては、求核剤の付加はカルボニルとの[[共鳴]]によりδ-となったβ位の炭素に対して起こり、求核剤上にあった負電荷は酸素へと移る。これは、α,β-不飽和カルボニル化合物のような共役した化合物の[[LUMO]]はビニル基上にあり、求核剤の[[HOMO]]との相互作用が最も強いビニル基で反応が起こるためである。
また、α,β-不飽和カルボニル化合物に対して1,2-付加を起こすためにはハードな求核剤([[HSAB則]]参照)を用いればよい。有機銅試薬([[ギルマン試薬]],R2CuLi)や[[グリニャール試薬]]が主に1,4-付加体を生成するのに対し、[[アルキルリチウム]]が1,2-付加するのはこのためである。▼
▲[[Image:Michael_reaction.png|center|280px]]
== 反応機構 ==
[[File:Michael Reaction Mechanism.png|right|500px]]
まず、物質'''1'''が[[塩基]]によって[[脱プロトン化]]され求核的な[[カルバニオン]]'''2'''が形成する。このカルバニオンは電子求引基(ケトン基)によって安定化され、'''2A'''から'''2C'''までの共鳴構造をとり、このうち'''2B'''と'''2C'''はエノラートである。これと求電子的な[[アルケン]]'''3'''が求核共役付加反応を起こし、エノラート'''4'''を形成する。最終的にエノラート'''4'''がプロトン化塩基からプロトンを受け取り生成物'''5'''を得る。
{{-}}
▲一般のカルボニル化合物と求核剤との反応では、求核剤がカルボニル炭素に対して求核攻撃するが、
== 出典 ==
<references />
▲有機銅試薬([[ギルマン試薬]],R2CuLi)や[[グリニャール試薬]]が主に1,4-付加体を生成するのに対し、[[アルキルリチウム]]が1,2-付加するのはこのためである。
== 関連項目 ==
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[[Category:炭素-炭素結合形成反応]]
[[Category:人名反応]]
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[[de:Michael-Addition]]
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