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== 国別に制定される「標準」 ==
朝鮮語を[[母語]]とする人々の居住する領域は南北にほそながく中国・北朝鮮・韓国の三カ国にまたがっている。元来の[[方言]]差にくわえ、三カ国がそれぞれ個別に標準を制定<ref>[[ドイツ語]]の場合、[[ドイツ]]、[[オーストリア]]、[[スイス]]の三カ国の文部省が共同で[[正書法]]の改訂に携わる制度があり、すくなくとも書面語におけるドイツ語の一体性は国境をこえて保持されている。</ref>した結果、語彙・正書法・辞典における文字配列の順序などで、「{{lang|ko|조선말,조선어}}(朝鮮語)」・「{{lang|ko|한국어,한국말}}(韓国語)」・延辺朝鮮語がそれぞれ独自の特徴を発揮している。たとえば韓国と北朝鮮では、独立後に漢字表記の廃止と日本語語彙の置き換えが着手されたが、それぞれが個別に行った結果、朝鮮語と韓国語の相違を拡大することになった。中国領内の延辺朝鮮語では、とりたてて日本語語彙の追放に取り組まれることがなく、さらに中華人民共和国の建国以降は、近代的概念を表す語彙を中国語経由で取り入れるようになったことから、朝鮮語・韓国語とは別個の独自の特徴が拡大されることとなった。
中国領内の延辺朝鮮語では、とりたてて日本語語彙の追放に取り組まれることがなく、さらに中華人民共和国の建国以降は、近代的概念を表す語彙を中国語経由で取り入れるようになったことから、朝鮮語・韓国語とは別個の独自の特徴が拡大されることとなった。
 
== 言語名 ==
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中央アジアの朝鮮人の間では「'''高麗語'''」({{lang|ko|'''고려말'''}}、{{lang|all|'''Корё мар'''}}、コリョマル)という呼称が用いられている。ただし「高麗語」は朝鮮半島の言語とは別の言語を指す場合がある。詳細は[[コリョマル]]または本記事後述を参照。
 
日本では伝統的には「朝鮮半島」、「朝鮮民族」などと同様に「朝鮮」の名を冠した「'''朝鮮語'''」という呼称が用いられており、学術的な場面や専門家の間でも主に「朝鮮語」と呼ばれる。その一方で、韓国との交流関係に比べて北朝鮮との交流関係が非常に疎遠であることを反映し、一般的な場面では「'''韓国語'''」と呼ばれることが増えている。そのどちらかの名称を用いることは公平ではないとし、「'''コリア語'''」、「'''高麗語'''」、「'''韓国・朝鮮語'''」、また言語名を避けて文字名称である「'''[[ハングル]](語)'''」が中立性を保つために用いられることもある。ただし「ハングル」は韓国での名称であって北朝鮮では「{{lang|ko|조선글/조선글자}}、朝鮮文字」なので、「ハングル(語)」も公平ではないとされる。なお、名称は様々に呼ばれることがあるとしても、韓国・北朝鮮との交流関係の違いを反映してか、現在の日本で出版されている朝鮮語の文法書やテレビ・ラジオ放送で学ぶことになる[[正書法]]・発音・語彙・文法等は基本的に[[大韓民国|韓国]]で標準とされるものであり、北朝鮮で行われる正書法・発音・語彙・文法等は韓国との違いとして少し紹介される程度であるのが現状である。
 
[[中華人民共和国]]は、[[1949年]]の建国から[[社会主義]]陣営に所属しており、当初から北朝鮮を[[朝鮮半島]]全体の唯一の正統政府としていた立場から、朝鮮民族の国家、民族や言語、文化に冠する呼称に「[[朝鮮]]」([[簡体字]]で「{{lang|zh|朝鲜}}」)を使用し、中国の国民を構成する朝鮮系の集団やその言語に対してもこの名称を用いて、「{{lang|zh|朝鲜族}}」や「'''{{lang|zh|朝鲜语}}'''」と呼称してきた。しかし[[1992年]]に韓国と中国が国交を樹立してからは、韓国との直接交流が進展し、韓国資本の裏付けにより、韓国式の語彙や文字配列をそのまま移植した語学テキストや辞典類が「{{lang|zh|'''韩国语'''}}」の名称を冠して発行されるようになった。その結果「{{lang|zh|'''韩国语'''}}」という呼称は、新たに、中国の[[延辺朝鮮語]]とも北朝鮮の朝鮮語とも異なる特徴を持つ韓国の言語に対する呼称として、「{{lang|zh|朝鲜语}}」とともに併用されるようになってきている。
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=== 日本語との関係 ===
[[統語]]面では、基本[[語順]]は[[SOV型]]であり、日本語と[[言語類型論|類型論]]的に同じ語順を持つが<ref>もっともインド・イラン語派、ラテン語など世界の言語の約50%50%がこの[[SOV型]]である。</ref>、[[否定]]や[[法 (文法)|法]]の表現では逆位となる場合やいわゆる「[[かばん語]]」によって否定表現が一語となっているものがある。[[助詞]]で[[主題]]を表示する点は日本語と共通している。
 
音韻的な面では、異なる点が多いが、共通点をあげるとすれば、古い時代では語頭に[[流音]](ラ行)・[[有声]][[阻害音]](濁音)が立たない点、[[母音調和]]が見られる点、[[母音]]連続を避ける点などである。これは[[アルタイ諸語]]に共通して見られる特徴でもある。
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==文献情報==
*「言語名称「朝鮮語」および「韓国語」の言語学的考察」内山政春(法政大学学術機関リポジトリ2004.4.1)[http://rose.lib.hosei.ac.jp/dspace/bitstream/10114/1269/1/ibunka_5_uchiyama.pdf]
 
 
== 関連項目 ==