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'''霧氷'''（むひょう）は、氷点下の環境で、空気中の[[過冷却]]水滴もしくは[[水蒸気]]が、樹木その他の地物に衝突して凍結もしくは[[昇華 (化学)|昇華]]することでできる、白色～無色透明の氷層の総称。いわば自然現象としての[[着氷]]現象。普通、'''樹氷'''・'''粗氷'''・'''樹霜'''の3つに分類される。
== 分類 ==
=== 樹氷 ===
[[画像:Windbuchencom.jpg|thumb|right|240px|樹氷。[[ドイツ]]・[[シュヴァルツヴァルト]]。]]
'''樹氷'''（じゅひょう）(soft rime)は、冬山などで、[[過冷却]]水滴からなる濃霧が樹木などの地物に衝突し、その衝撃で凍結・付着した氷層。一般的には、氷層を付着させた樹木そのものを指して樹氷と呼ぶこともある。
気温-5℃以下の環境で生じる。粒状構造の脆い氷。風上側へ向かって羽毛状に成長する。風が強いほど風上に成長するが、この様を俗に「'''海老の尻尾'''（えびのしっぽ）」などと呼ぶ。弱風時には地物の全ての方向に付着する。気泡を多く含むために不透明で、白色を呈する。樹氷が付着している物体を揺らすと、樹氷は簡単に落ちてしまう。
日本では[[蔵王連峰|蔵王]]の樹氷林が有名で観光資源にもなっており、樹木が完全に樹氷や雪によって覆われたものは「'''スノーモンスター'''」とも呼ばれる。他に[[八甲田山]]や[[八幡平]]、[[伊吹山]]、[[氷ノ山]]、[[富士山]]のものがよく知られる。[[黄砂]]が到達し始める春先には、冬季に白色だった樹氷林がやや黄色味を帯びる。
意外だが九州の中央部、[[宮崎県]][[五ヶ瀬町]]と[[熊本県]][[山都町]]周辺にまたがる九州山地の高山地帯でもきれいな霧氷・樹氷を見ることが出来る。特に広葉樹が広がる「[[五ヶ瀬ハイランドスキー場]]」周辺は、車での交通アクセスがよく、気軽に樹氷を楽しめる場所であり、近年、観光資源として注目を集め始めた。
=== 粗氷 ===
'''粗氷'''（そひょう）(hard rime)は、[[過冷却]]水滴からなる霧が、樹氷(soft rime)と同様のメカニズムで樹枝などの地物に凍結した半透明かほぼ透明の付着氷。樹氷に比べ霧粒や雲粒が大きく、樹氷よりも組織が大きめである。気温-2～-10℃の環境で生ずる。
粗氷は比較的よくくっついているものだが、それでも物体から引っ掻いて取ることは出来る。
日本では[[雲仙岳]]の粗氷林が有名だが、寒い地方では平地でも普通に見られる。
自由大気中では、相対的な風に面した飛行機の一部分に付着することもある。
=== 樹霜 ===
'''樹霜'''（じゅそう）は、空気中の[[水蒸気]]が[[昇華 (化学)|昇華]]して樹枝などの地物に付着した樹枝状ないし針状の結晶。いわゆる[[霜]]。過冷却水滴が[[凝固]]してできる樹氷や粗氷とは区別される。
== ギャラリー ==
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画像:Ioudake03.JPG|樹氷(モンスター) 八ヶ岳・硫黄岳にて
画像:樹氷.jpg|樹氷 撮影場所: 山形蔵王・地蔵山附近
画像:Snowflake 300um LTSEM, 13368.jpg
画像:Feuilles-avec-glace-leaves-with-ice-2.jpg|樹霜
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== 関連項目 ==
{{commons|Rime ice}}
* [[霜]]
* [[雨氷]]
* [[着氷]]
{{気象現象}}
{{DEFAULTSORT:むひよう}}
[[Category:着氷]]
{{Climate-stub}}
[[bat-smg:Šarma]]
[[cs:Jinovatka]]
[[da:Rimfrost]]
[[de:Raueis]]
[[en:Hard rime]]
[[eo:Prujno]]
[[es:Cencellada]]
[[fi:Huurre]]
[[fr:Givre]]
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[[it:Calabrosa]]
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