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'''奥平 家昌'''（おくだいら いえまさ、[[天正]]5年（[[1577年]]）- [[慶長]]19年[[10月10日 (旧暦)|10月10日]]（[[1614年]][[11月11日]]））は、[[安土桃山時代]]から[[江戸時代]]前期にかけての[[武将]]、[[大名]]。[[下野国|下野]][[宇都宮藩]]主（第26代[[宇都宮城]]主）。

[[美濃国|美濃]][[加納藩]]主・[[奥平信昌]]の長男。母は[[徳川家康]]の長女・[[亀姫 (盛徳院)|亀姫]]。[[松平家治]]、[[奥平忠政|松平忠政]]、[[松平忠明]]の兄。正室は[[本多忠勝]]の次女・法明院。子は[[奥平忠昌|忠昌]]（長男）、ビン姫（[[徳川秀忠]]の養女、[[堀尾忠晴]]正室）の姉弟で、いずれも正室本多氏の所生。官位は[[従四位|従四位下]]、[[大膳職|大膳大夫]]、[[侍従]]。

元服の時、家康から一字をもらって'''家昌'''と名乗った。家康の外孫に当たる上に家康にとっても最年長の男孫であった事（叔父・秀忠よりも年長）から、刀や鷹を与えられるなど、重用された。

[[慶長]]6年[[2月6日 (旧暦)|2月6日]]（[[1601年]][[3月10日]]）、[[関ヶ原の戦い]]の勝利後に命ぜられた京都治安活動を高く評価された父・信昌が美濃加納10万石を与えられた。そのため、それまでの[[上野国|上野]]宮崎領に家昌を残し、父母は弟・[[奥平忠政|忠政]]を伴って配地へ赴任した。同年[[12月28日 (旧暦)|12月28日]]（[[1602年]][[2月19日]]）、家昌も父に遅れて、北[[北関東]]の要地・下野宇都宮10万石を与えられると、翌月[[1月25日 (旧暦)|1月25日]]（[[1602（1602年]][[3月18日]]）、入国を果たした。以後は、[[宇都宮藩|宇都宮]]の城下町整備に尽力。[[慶長]]16年[[10月13日 (旧暦)|10月13日]]（[[1611年]][[11月17日]]）、正室・本多氏（もり姫と言ったらしい）が死去した。

宇都宮への転封後、三河時代からの家臣団制度が機能的でなくなったのを痛感した家昌は、重臣制度改正に着手した。この奥平家では[[長篠の戦い]]で父・信昌を援けた重臣12家を「七族五老」と呼んでいた。長篠の戦いの勝利後では陪臣でありながら家康から直々に労われた上に、彼らの子々孫々に至るまで厚遇を約束された御墨付きを拝領したという重臣達である。元々は跡継ぎと成れずに支族として宗家を支え、軍務を担当していた7家に、重臣に抜擢して政務を担当させた小領主たち5家を加えた12家の総称である。

父譲りの武勇を持っていたが、[[慶長]]19年[[10月6日 (旧暦)|10月6日]]（[[1614（1614年]][[11月7日]]）、[[大坂の役#大坂冬の陣|大坂冬の陣]]のため出兵を命ぜられるも病を患い、遠征には不参となる。その為、三日後の同月9日には出兵を免ぜられた分、[[鳥居忠政]]らと共に[[江戸城]]の本丸留守居役を仰せ付けられた。ところが翌日10日、父母に先立って38歳の若さで死去。戒名は六通院殿天眼道高大禅定門。[[宇都宮藩|宇都宮]]領内の[[興禅寺 (宇都宮市)|興禅寺]]に葬られた。小鼓を嗜んだという。嫡男の忠昌が後を継いだが、5年後の[[元和 (日本)|元和]]5年（[[1619年]]）に[[下総国|下総]][[古河藩]]へ移封、[[本多正純]]が宇都宮藩主となったが、正純が元和8年（[[1622年]]）の[[宇都宮城釣天井事件]]で改易されたため、忠昌が宇都宮へ戻った。